タケノコを掘った
こないだ
野村さんと飲んだときに
「29日はタケノコ掘りだから
空けといてね」
と言われた。
空けといてね、と言われても
空くかどうかわからないのが
この仕事なのだが、
きょうは幸いに空いたので
タケノコ掘りに行った。
ずーっと前から、
野村さんに
「ぜひ連れていきたい
幼稚園があるんだ」と
言われていた。
話を聞くと
とっても良さそうなので
いつか行ってみたいと思っていたが、
タケノコ掘りの場所は
その「風の谷幼稚園」であった。
「風の谷幼稚園」は
小田急多摩線の栗平駅から
15分ほど歩いたところにある。
多摩線ができたのは30年ほど前で、
最近になって
マンションや住宅が増えたものの、
畑も林も
まだ残っている。
起伏の多い道を歩いていたら
どんどん汗が出て、
まだタケノコ掘りもしていないのに
途中で飲み物を買ってしまった。
園に着いたら
知っている人も知らない人もいたのだが、
早速園長の天野先生が
「はいこのガムテープに
名前書いて胸に張って~」と
てきぱき指示をしていった。
タケノコを掘る、ということしか
知らなかったのだが、
この人の言う通りにすりゃ
大丈夫だなー、というのが
すぐわかった。
全員でリュックを背負い、
園から30分ほど歩いたところにある
竹林に向かった。
2列で離れないように、という
簡単な指示が
話に夢中になっていると
なかなか守れない。
子供じゃないんだから全く。
竹林の手前にある
土地の持ち主の家で、
「お世話になりますー」と
ご挨拶をしてから山に入り、
みんなでタケノコを掘り始めた。
タケノコを掘るのは
福岡にいたころ
ズームインの中継で掘って以来だ。
2度目のズームインが
北九州市の合馬からの中継で、
私は
焼きタケノコのあまりの熱さに
「あづっ」としか言えず、
竹の筒に入れて暖めた日本酒も
「あづっ」と口からこぼしたのであった。
そんな調子だったので
タケノコの掘り方なんか
すっかり忘れていた。
保育士の皆さんに教わりながら
必死に掘った。
時期が遅いこともあって
タケノコは
結構深いところから生えていた。
ここかな、と思うと
まだ途中だったりして、
保育士の先生に
「あらー、タケノコは
根っこが一番おいしいのに~」と
嘆かれてばかりであった。
2本失敗して学習し、
あとの2本は
ものすごく大きなものを
根本から掘ることができた。
タケノコ掘りに飽きた人は
タラの芽を摘んでいた。
汗だくになって掘ったあと、
地主の奥さんのお茶うけをいただきつつ
休憩。
タケノコのみそ炒めとか
ふきのとう味噌とか
これが本当においしかった。
料理としては
なんてことないのだ。
でも、
採りたてのものに
ほんのちょっと手をかけていて
それが本当においしい。
園に帰ってから
お昼ごはん。
保育士の皆さんが外で火を炊いて
タケノコチャーハンを作り始めた。
タケノコと桜海老を炒めて、
冷やごはんを入れたら
バターとしょうゆと
味塩こしょうで味付けして
最後に青海苔をたっぷり散らす。
これまた
なんてことはないのだが
おいしい。
中華鍋4つ分作ったので
うち一つを作らせてもらった。
タケノコ掘りは下手だが
このくらいはなんとかお手伝い。
あとは
タケノコとワカメのみそ汁、
天野先生が作った
タケノコと鶏肉の煮物と
タケノコのきんぴら、
タラの芽のしょうゆ炒め。
デザートは
近所で摘んだよもぎで作った
よもぎもちであった。
風の谷幼稚園は
園の真ん中が
風が通るパティオになっていて、
吹き抜ける風を感じながら
おなかいっぱい食べた。
やかんで淹れてくれた麦茶まで
全部ほんとうにおいしかった。
おいしいって
いろいろあるけれど、
五感が全部おいしい。
食べ終わったところで
天野先生が
「歌作ったのよー!」というので
保育士の皆さんに
歌っていただいた。
作詞が天野先生で、
作曲と編曲も
園の保育士の先生なのだが、
これがまた
本当にいい歌だった。
大人になって
いろんなことを忘れても、
この歌を覚えていたら
園長先生の伝えたいことが
全部わかる、
そんな歌ですねと言ったら
天野先生は
大きくうなずいていた。
お世辞じゃなくて
そういう歌詞だった。
歌が終わったあと
「たんぽぽ畑にいってらっしゃい」と
天野先生に言われて、
集まったメンバー+保育士の先生で
行ってみた。
3時を過ぎていて
たんぽぽは閉じていたのだが、
気持ちのよい高台の広場で
子供用の紅白帽子をかぶって
本気で鬼ごっこをした。
私は最初
かくれんぼかと思って
木陰に隠れていたのだが、
いい大人が20人以上で
きゃーきゃー言っていて
途中で
そうか、鬼ごっこか、と気付いて
追いかけられたりした。
2回やったら
みんなぐったりしてしまい、
木陰に座ってぼんやりした。
楽しかったけど疲れた。
でもやっぱり楽しかったぁ。
きょうは大人ばかりで
(ぴあの大木さんが
お子さんを連れてきたが
愛嬌があって人気者だった)
園児には会っていないのだけれど、
ここの子供が
どんな子供なのか、
どんなふうに育って欲しいのかが
その場所にいるだけで
よくわかった。
私に子供ができたら
ここに通わせたいなぁ。
というか
子供じゃないけど
私が通いたい気分だ。
そして今、
大きなタケノコを
家にある大きな鍋2つを使って
茹でている。
とても一人じゃ食べきれないが
なんとか食べてみよう。
あそこがあると思うだけで
ものすごく元気になれるなぁ。
絶対にまた行こう。
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