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蛍祭り


私の大好きなごはんやさんのご主人が
結婚することになった。
式は来月で
私は司会を頼まれた。

そのお店はもともと
ランディさんから教えてもらった店だ。
ご主人としては
ランディさんにも
披露宴に来てもらいたかったのだが、
残念ながらその頃
ランディさんは
北欧に出かけてしまっている。

出席できない代わりに
ビデオでメッセージを残していくね、と
聞いていたのだが、
土曜の夜にふと
普通のビデオメッセージじゃない感じに
撮りたいなぁ、と
思いついてしまった。
それで電話をして
いきなり「遊びに行っていいですかー」と
お願いしたら
「いいよー、
 明日は焼肉を食べてから
 蛍祭りに行くから
 一緒に行こうよー」と
別なイベントにも誘ってもらったので
行ってきた。

ランディさんには
私がどう撮りたいのかを
全然説明していなかったのだが、
意図するくだらなさを
すぐに理解してもらって
思った以上にバカバカしいのが撮れた。

旅行前で忙しいのに
バカなことに付き合ってくれて
ありがたい。
ランディさんのそういうところは
大好きだ。

焼肉まではまだ時間があり、
ランディさんにも
やることがあるだろうと思ったので
一人で近所の温泉に行って
のんびりつかった。
これだけでも
行った甲斐があるというものだ。

湯上がりに
ちょっとだけビールを飲んで
ランディさんの家に戻り、
みんなで焼肉屋へ。
焼肉からは
ランディさんのご近所さん一家と
一緒だったが、
ここの一家とは
子供のノリくん含め
すっかり顔見知りだ。
なんていうか
時々来る親戚のお兄さんみたいな。
お兄さんじゃなくて
おじさんか。

この一週間、喉が痛くて
とろろそばみたいなものしか
食べていなかったので、
焼肉がうまいのなんの。
っていうか
久しぶりということを
さっぴいて考えても
おいしい焼肉屋であった。
こないだ
川内倫子ちゃんに連れてってもらった店も
相当においしかったのだが、
あそこは
焼肉というより肉焼きという感じで
とにかく肉がすごかった。
きのうの店は
肉がおいしいタレに漬けてあって
ホントの韓国の焼肉、という感じ。

あ、倫子ちゃんといえば
今発売中のクロワッサンに載っている
倫子ちゃんの記事が
とてもいいのでぜひ。

さて。
焼肉を食べたあと
腹ごなしにゆるゆる歩きながら
蛍祭りへ。

滝の横の道を登っていくと
ある一帯が暗くなっていて、
そこに蛍が光っている。
蛍の点滅は
てんでばらばらではなく、
ある固まりごとに
なんとなく一定のリズムがある。
その光を見ていたら、
正木ゆう子さんの


蛍とぶ闇縫ひ合はせ縫ひ合はせ


という俳句を思い出した。

言われてみれば
蛍が闇を飛ぶ様子は
まさにそんな感じなのだが
この言葉になるのがすごいよなぁ。

蛍の句といえば
もうひとつ思い出すものがある。


じゃんけんで負けて蛍に生まれたの


これは
池田澄子さんの結構有名な句。
正木さんの
「起きて、立って、服を着ること」という
評論集を読んで
池田さんを知ったのだが、
正木さんの句も池田さんの句も
とても好きだ。
そのことを正木さんに言ったら
喜ばれた。
2人は仲がいいのだそうだ。


……と、
そんなことを思い出しながら
しばらく
ぼんやりと蛍を眺めていた。
ふと見ると
ノリくんの手に蛍がとまっている。
つかまえたのかと聞いたら
「違うよー!
 手に飛んできたんだよー!」と
必死に否定した。
そうかそうか、
それは良かった。

そのうち
ノリくんの周りにわらわらと人が集まって
「あらー」とか「まぁー」とか
言い始めたので、
ノリくんは
その場から動けなくなってしまった。
その様子を
ちょっと離れたところから
「今ちょっと人気者だね」などと
みんなで笑って見ていた。

蛍を見たあと
外でビールを飲み、
ノリくん一家と別れて帰ってきた。
ランディさんが
「泊まっていけばいいじゃない」
というので
お言葉に甘えてしまった。
なんか
まっすぐ家に戻るのが
なんだかもったいなかったんだよなー。

行ってよかった。
そんなつもりじゃなかったけれど
気持ちが暖かくなって帰ってきた感じ。

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