陸の孤島
大分から博多へ向かう列車の中。空席が無くて喫煙車に乗っているのだが、喫煙車って久しぶりに乗ったらやっぱり空気悪いなー。
はなまるのロケで、昨日は宮崎、今日は大分でロケであった。
福岡に6年9か月住んでいたのだが、宮崎だけは行く機会が無かった。同じ九州とはいっても、福岡と宮崎はとても遠い。例えば、北海道の釧路に住んでいる人で、函館に行ったことがない人はたくさんいると思うが、そんな感じ。
土曜の夜、三軒茶屋のシアタートラムでKAKUTAの芝居を見た。終わったあと、ペテカンの大治くんや長峰さんと一緒に打ち上げに行ったが、朝一番の便で宮崎に行くので途中で帰ってきた。残念。
朝5時半に起きて羽田空港へ向かい、宮崎へ。
宮崎空港から続く道路にはヤシみたいな背の高い木が並んでいて、南国ムード満開であった。暑いなーと思ったが、沖縄のような、空気がムッと立ちのぼるような感じではない。夏の終わりで秋の入り口ということもあったのだろうが、空が青くて海も青くて気持ちがよかった。
まず西都市の「冷や汁保存会」の方のお宅におじゃましたのだが、皆さん元気なおばあさんで楽しかった。どこのイナカに行っても面白いのだけれど、暖かい地方の人は全般的におおらかでゆるい感じがする。
冷や汁の取材で伺ったのだが、テーブルの上には山盛りのお煮しめをはじめ、どう考えても食べきれないほどの山菜料理などが並んだ。「東京からのお客さんやけねぇ」と何度も言っていたので恐縮してしまったのだが、よく聞いてみたら人が集まるときはいつもこんな感じだそうだ。いいなぁ。
日南に移動してモアイ像を撮影し、夕方に宮崎を出て大分に向かった。乗る予定の列車の時間より2時間ほど早く宮崎駅に着いたので、早い列車に変更しようと思ったら、大分に行く特急はその前には無かった。
大分と博多を結ぶ特急は、日中30分に1本のペースで走っているのだが、宮崎と博多になると日中に1本、夜行が1本の2本だけ。大分に向かう特急は1時間に1本ペースだが、午後4時台のあとは6時台に1本あってあとは無い。しかも単線区間が多いのでやたらと時間がかかる。乗換案内で検索すると、まず最初に出てくるのは4時間で行ける高速バスだ。
その高速道路は、福岡から熊本を通り、鹿児島で分岐して南のほうから宮崎に向かっている。ぐるーっと遠回りしているのだが、それでも鉄道よりはマシなのだ。
宮崎の人がみんな「宮崎は陸の孤島」と言っていたのだけれど、今後この状況はなかなか変わらないだろう。宮崎と大分の間はこれからもきっと不便なままだ。
宮崎を制覇したので、行ったことが無い都道府県は残すところ福井と三重だけになった。去年制覇したのは和歌山と島根だった。改めて並べてみたら、福井と三重には空港が無いし、和歌山と島根と宮崎は、空港はあるが鉄道や高速道路の整備が遅れていて、県内の移動に時間がかかる。みんな「陸の孤島」と呼ばれているところだ。
今まで、なかなか用が無いから行けないのだと思っていたが、行きにくいから行けなかったのかもしれない。
でも、宮崎に冷や汁があるのは、その交通の不便さのおかげというところがあるのだそうだ。昔ながらのものを探すのなら、交通が不便なところに行くというのはひとつの手だろう。
三重には友達がいるので、今年中にプライベートで行ってみたいと思っている。福井は今のところわからないのだが、今まで福井のことをちゃんと考えたことが無いので、福井についても調べてみよう。まずは温泉からだな。
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