« 2005年10月 | トップページ | 2005年12月 »

2005年11月

The LOVEのこと

 こないだペテカンの公演の打ち上げで知り合った、福岡出身のバンド「The LOVE」のボーカルの平くんが、アルバムを送ってくれた。

 聞いてみたらとても良かった。この記憶力の悪い私が、10年前の、しかもアマチュア時代に一度司会をしただけのThe LOVEのことをよく覚えていたと我ながら思うが、そうだった。10年前に聞いたとき、ボーカルの平くんのせつない声がとてもいいと思ったんだった。

 今週末はかつしかFMがあるから、ぜひかけたいなーと思い、かけるついでにコメントももらいたいな、と思って平くんを食事に誘った。アルバムをいただいたし、コメントももらうので、ギャラは出ませんがご馳走しますー、というお誘い。

 The LOVEは結成して13年、デビューしてから8年だそうだ。同時期に活動していたバンドはほとんど残っていないそうだから、頑張っているんだと思う。

 話していたら、FM福岡の縄田くんの名前が出てきたので驚いた。縄田くんは同期のアナで、今はプロデューサーみたいな立場らしいのだが、The LOVEがアマチュアの時代から、番組で曲をかけたりしてくれて、今でもお世話になっているのだそうだ。
 懐かしい名前だったので久々に電話をしてみた。私がかけて、平くんに代わるとずいぶんと驚いていた。面白い。

 きのう「再会」というシングルももらったので今聴いているのだが、これ、絶対にどこかで聴いた気がする。一昨年、大阪のFM802で火がついて各地のFM局でかかったそうだ。サビのところがたまんないなー。アマゾンで買えるのでぜひ。9月に新しいアルバムも出てます。

 そういや寿司屋でコメントを録ったんだけど、家に帰って聞いてみたら周りがうるさくてよく聞こえない。寿司屋だから「いらっしゃい!」とかそういうのばっかり聞こえる。当たり前か。まぁいろいろ話せて楽しかったからいいや。

最後のボレロ

 私はひょんなことからクラシックバレエを習うことになって、ひいこら言いながらレッスンに通っているわけだが、それまでバレエを見たことも無かったし、バレエのことなんか知らなかった。

 そんな私でも知っている名前がシルヴィ・ギエムであった。もともと体操選手で、12歳でオリンピック代表選考会を通過し、オリンピック強化選手としてパリ・オペラ座バレエ学校でバレエの研修をしたときに見出されてバレエダンサーになったという経歴の持ち主。

 ギエムの身体的能力をあらわす言葉に「6時のポーズ」というのがある。片足で立ち、もう片方の足がぼぼ180度上にまっすぐ上がる。「舞姫 テレプシコーラ(山岸涼子)」にも出てくる二重関節の持ち主だ。

 新体操の取材をしてきた私には、この180度上がる足というのは珍しいものではなかった。というか、アリーナ・カバエバという選手が出てきたおかげで、そういう体の持ち主じゃないと点数が出ないルールになってしまい、結果的に現在の世界のトップ選手はみんな「6時のポーズ」だ。それが美しいかは別問題で、正直に言うと今のルールは好きではないが。

 ベジャール振り付けのボレロというと、ジョルジュ・ドンのものが有名だが、私は見たことが無い。ジョルジュ・ドンにも「最後のボレロ」があって、ギエムも今回が「最後」だというなら、きっと長く続けられない踊りなんだろうと想像していたのだが、この踊りは、舞台の上で踊れるだけで奇跡のようなものだと思った。

 書き始めておいてなんだが、あれはもう生で観るしかない。最後だというなら、今観るしかない。

 丸いテーブルのような台が舞台の上にあり、ギエムはそこで踊る「メロディ」、そして周囲で踊る男性ダンサーは「リズム」なのだそうだが、申し訳ないがリズムなんか目に入らないほどギエムの動きは繊細で大胆で正確で端正で…といくら言葉を重ねても意味が無いと思えるほどの凄さであった。「最後のボレロ」と銘打っているのだから、みんな彼女を観に来ているのだが、彼女が踊り始めたら、もう目を離すことができない。観に来たんじゃない、観るためにここに来させられたんだと思うほど。

 あの「6時のポーズ」だって、ただ上がっているんじゃない。曲のリズムを外さずに極限まで上げて降ろす、その繰り返しを、一切手を抜かずにやり続ける。

 ラヴェルの「ボレロ」という曲を知っている人は、あの曲の意識的な単調さがわかると思う。メロディは同じで、曲の最後に向かってどんどん楽器が増えて、壮大なクライマックスを迎える。ということは、この曲を踊るということイコール、休むことなく踊り続けた挙句、最後にクライマックスがやってくる、ということを意味する。肉体的に一番キツいところで最大限に踊ることが要求されるだけではなく、曲全体で、体を使って緩急を表現しなければならない。

 ボレロを踊るダンサーは、振付師のベジャールによって限られているそうだが、これは踊りたいからといって踊れるものじゃない。ろくにバレエなんか知らない私でもわかるぐらい、ダンサーのすべての力を使って踊るのがこの作品で、踊るためにはその「すべて」のレベルが高くなければならない。ベジャールが許しているのではなく、バレエダンサーとして神様から許されている人が踊れるものなんだと思う。

 まばたきを忘れるほどに、食い入るように観た。そして心から拍手をした。バレエの公演は、何度も何度もカーテンコールがあるのが当たり前のようで、それはあんまり好きじゃないのだが、ギエムには何度も、心から拍手をした。だって、こんな踊り、絶対に長くは続けられない。よくぞ私が観るまで続けてくれていたな、という感謝の気持ちすらあった。

 これを書くにあたって、ギエムの名前で検索をしたら、今バレエをやっている私から見たら「あなた何様?」みたいなブログがたくさん出てきて面白かった。まぁ確かに、ギエムと比べたら東京バレエ団の日本人ダンサーは平凡に見えるかもしれないし、高いお金を払って観ているんだから感想も自由だ。

 でもねぇ、そう言うならアンタやってみなさいよ、と今の私は思う。ギエムは置いといて、その他のコールドと呼ばれるダンサーよりずっとずっと易しいことが全然出来ない。まずバレエの形を作るためにとてつもない努力が必要で、その先に「踊る」があるのだと思うと気が遠くなる。

 ブログなんてものができたおかげで、ごくごく普通の人でも批評とか批判とかが簡単にできるようになったのだけれど、自分でやったことが無いものについて何かを言うなら、本気でたくさん見なければならないし、そうじゃないなら「私は好き」「私はあんまり好みじゃない」というような「私の感想」レベルに留めておくのがいいと私は思う。

 これは自分が取材というものをしていて日々思うのだけれど、相手に足りないところは見えやすいし言いやすい。でも、人を見るときに本当に必要なのは、その人の本質に何があるかだ。何かが足りなくても、この人にはこういういいところがある。そういうつもりで人を見ていないと、いつの間にか自分が何様かということを忘れてしまう。

 今回が最後、とギエムが決めたということは、体力的にもそろそろ限界だと思っているのかもしれない。そして、ギエムのピークはもっと前にあったのかもしれない。
 でも別にいい。私は十分感動した。何年か前はもっと跳べたのかもしれない。でも、大事なのは跳躍の高さだけじゃない。あの一回の舞台に、あれだけの力を出せる、そのことでもう十分だ。

庄司さんの本

051121

 「体当たりリポーター 庄司麻由里のへのカッパ」 グラフ社

 はなまるアナの庄司さんが本を出した。「イマイズミさん、宣伝してねっ!」と本をいただいたので読んでみたら、仕事仲間だということを抜きにしてもとても面白かった。

 庄司さんはもともと女優だったが、背が高かったために役がつかなかった、という話はご本人から聞いていた。でも、お父さんが役者さんだったとか、背が高いためについた役がどんなものだったか、までは聞いたことが無かった。

 同じ仕事をしていても、はなまるアナ同士が同じ日に出ることはまず無いので、実際のところ会うことはあまり無い。テレビではよく見ているので会ってない気がしないけれど、という一般視聴者と同じような状態。だから、読むたび「へー」という感じであった。

 女優だった庄司さんがどうやってリポーターになっていったか、という過程もかなり面白い。私はもともと、庄司さんのロケで起こったハプニングの話などを、自分のロケ中にスタッフから聞くのが大好きなのだが(ご本人は大変な目にあっているのだが、話としては面白いことばかり)まだまだこんなにあっただなんて。

 でも、この仕事に対する基本的な考え方だとか、はなまるマーケットという番組のどこを大事に思っているか、といったことは、私と変わらないのがよくわかった。お互いいちいちそんな話はしないのだが、それはオンエアを見ていれば大体わかるので、読んでみて「やっぱり同じだな」と思ったというか。

 リポーターという仕事については、これを読めば大体わかるので、この業界を目指そうという人がいたら読んでみたらいいと思う。別に目指してなくても、単純に面白いけれど。私はうっかり電車の中で読んでしまい、笑いがこらえきれなくて電車を降りたほど。生放送に遅刻しそうになり、ギリギリでスタジオに入ったあとの顛末なんかは爆笑だ。

後輩から教わる

051124_0952~01.jpg


 私の隣に映っているのはTBSアナウンサーの赤荻くん。来週はなまるでリポートをするので、私のオンエアを見学しにやってきた。赤荻くんのことは学生時代から知っているので、こうして同じ職場で仕事をするのがなんだか不思議な感じ。

 はなまるのオンエアを担当するときは、いつも4時半に目覚ましをかけて、5時前までにえいやっ!と起きる。起きてから見る番組は、テレビ朝日の「朝いち!やじうま」だ。

 TBSの仕事のために早起きをしているのにテレ朝の番組を見るのには、ちゃんと理由がある。私はテレ朝の早朝番組の卒業生で、出ているアナウンサーはみんな友達だ。
 佐分さんと龍円さんは一緒に仕事をしていた仲間。小松くんは私の後に番組を担当したので、同じ気持ちで仕事の話ができる後輩。
 そして木金担当の佐々木亮太くんは、彼がアナウンサーになる前からの知り合いだ。

 亮太くん(以下亮ちゃん)とは、彼が学生のときに、マスコミに内定した学生の集まりで知り合ったのだが、たまたま亮ちゃんと赤荻くんが仲良しだったので、時々3人で飲んだりするようになった。年齢は一回り違うのだが、なんとなく気が合ったというのもある。

 赤荻くんはTBSに内定していたから、私がはなまるをやっていたらいずれ一緒になるかもな、と思ってはいたのだが、まさか亮ちゃんが2年目で「朝いち!やじうま」のキャスターになるとは思っていなかったので、それが決まったときには驚いたものだった。他に山ほど番組があるのに、2人とも私と関係がある番組につくっていうのも、何かの縁なんだろう。

 赤荻くんも亮ちゃんも、まだ2年目のアナウンサーなので、いろんなことに悩んでいる。私は彼らよりずいぶん先輩だから、たいていの悩みの理由がわかるし、アドバイスもできる。
 でも、自分が2年目のときに、はなまるアナだとか、ニュース番組のメインキャスターだとか、そんな仕事ができただろうかと考えると、とてもじゃないができなかったと思う。

 今、私が彼らよりも仕事がこなせるのは、単純に年齢を重ね、経験を積んでいるからだというのが、彼らを見ているとよくわかる。だから、今自分が普通にできることを基準にして、2人にアドバイスをするのは違う。ましてや会社の直接の先輩ってわけじゃないんだから、私の話なんて役に立つかどうかわからない。

 今はちゃんとできなくて当たり前。でも、できないということは、テレビを見ている人には関係が無い。だから、できないなりに、なんとかできるようになっていかなければならない。そのことで得るものがたくさんあるから、とにかくやってみるしかない。

 私にできるアドバイスはこれに尽きる。小手先の技術なんかじゃない。とにかく経験を積むしかない。私はそれでやってきたから。

 フリーになると、先輩も後輩もいなくなる。でも、先輩や後輩はいた方がいい。だから、ひょんなことからできた後輩の存在がありがたい。そして、堤ノンさまや山縣さんのような先輩がいてくれることも、本当にありがたいと思う。

きもので撮影

051122_1359~01.jpg


 来年一月に出る着物雑誌に、ノンさまこと堤信子さんの記事が出るのだそうで、その撮影を一緒にやった。「着物仲間でジャズを聴きに行く」という設定の撮影を、ノンさまと、ズームインに出ている伊藤奈穂子ちゃん(入社前の研修から一緒の同期アナ)と私で、青山のブルーノートで行った。

 どんな着物を着ようかな、と一瞬考えたのだけれど、こないだ浅草で買ってまだ着ていないのがあったから着ることにした。といっても一万円で買った古着。
 歌舞伎座に行くというのならこんなものは着ないのだが、お散歩という設定だというのでまぁいいか、と着ていった。でもやっぱりもうちょっといいものを着ていけばよかったな。

 撮影はよくわからないまま終わった。テレビカメラならぜんぜん平気なのだが、スチールカメラだとどうしていいかいまだによくわからない。

 私となおちゃんの出番は終わったのだが、ノンさまが浅草の履物屋さんに行くというのでついていった。一度行ってみたいところだったのだ。

 履物屋さんに向かうロケバスの中で、「きものサロン」という雑誌に載っているノンさまのエッセイを読ませてもらった。「わー」とか言いながら読んでいたら「次回分の男性がまだ決まってないんですが、もし良かったら…」と編集の古谷さんに言われた。「いいですよー」と答えたら、古谷さんは「このまま雷門あたりで今泉さんの写真を撮ったら、きょうで終わっちゃうんだけど」とカメラマンに話し、車内が「すばらしい~」と拍手で盛り上がってそういうことになった。遊びに行ったつもりが仕事になったのは面白かったが、やっぱりもうちょっといい着物を着ていけばよかった。

 というわけで、ノンさまが着替えている間、雷門の前で写真を撮った。着付けの大久保さんは、クロワッサンの「着物の時間」で、ランディさんやノンさまの着付けを担当した方なのだが、撮影用の立ち方を教えてくださった。なんでも、松井誠さんに教わった立ち方なんだとか。

 ただでさえ観光客だらけの雷門の前で、明らかに観光客ではない写真撮影をするのはとても恥ずかしかった。なおちゃんがカメラの後ろで見ていたら「誰?落語家?」と言っていた人がいたそうだ。トホホ。

 撮影後、私となおちゃんはネパール人の団体に、次から次へと写真を撮られた。着物姿の私たちは、ネパールでどう説明されるのだろうか。

 履物屋に戻って、あとはノンさまが撮影をすればいいだけなのだが、私は草履を物色し、なおちゃんは下駄と鼻緒を選んでいた。ここは卸なので、鼻緒を自分で選んですげてもらえるのだ。もう撮影なんてそっちのけであった。

 おかみさんに、私が履いていった草履のかかとをそろそろ取り替えたら、と言われてそれもお願いした。来てよかった。

 着物熱は一時期より醒めていたのだが、新しい草履を買ったらまた着たくなった。今度出掛けるときには着物にしよう。

おまけ画像

051120_1351~02.jpg


 やぶと私とまほちゃん。2回ぐらい撮りなおしたのに、やぶってばこんな顔だし。

ココファーム収穫祭

051120_0954~01.jpg


 足利の駅に着いたら、ココファームまでの連絡バスがあって、すでに行列ができている。朝早く来たつもりだったが、これでも普通らしい。
 着いたところで、やぶから「行けることになったー。場所取っとくよー」とメールが来たので「もう着いてるから場所取っとくよー」と返事を出した。

 収穫祭の入場料は1500円。その値段で、その年のワイン1本とワイングラスに、コルクスクリューとバッジが付いてくる。行ったら飲む、という理由がわかった。行きさえすれば飲めるようになっているのだ。

 坂田明さんや古澤巌さんのライブをやるテラスが見えるところがいいなぁ、と思ったら、平らな場所はすでに埋まっていた。高いところを探して、足利の駅前のコンビニで買ったゴミ袋を敷いて場所を取った。この時間に来てここかー、と思ったが、たぶん年々来場時間が早くなっているのだ。やぶですら私より遅いんだし。

 いろんな食べ物に行列ができていたが、私とイズミさんはおなかがいっぱいだったので、朝9時半から早速ワインを空けた。お互い赤をもらったのだが、コルクが固くて開かない。
 1本をなんとか開けて飲んでいたら、チーズを売りにきたおじさんが「今年の赤は固いでしょう」と言うので「そうなんです」と開けてもらった。

 風は冷たいのだが、陽射しが強くて暖かい。すっかりいい気持ちになったところで、やぶがダンナと子供とダンナの後輩を連れてやってきた。私たちは敷物を用意してこなかったが、やぶは3枚も用意していた。さすがだ。

 ダンナの後輩が「お腹が空いたので何か買ってきます」というので、もしよかったら、とおにぎりとおかずの残りを出した。やぶのブログにも書いてあるが、たいそう感心してもらった。でも自分では、お弁当のおかずの玉子焼きは、一番だしでつくっただし巻きよりも、砂糖を入れた普通の玉子焼きの方がいいかもな、と思った。イズミさんには「なんか料亭の味っぽい」と褒めてもらったけれど、たぶんお弁当には上品すぎる。

 イズミさんのお友達も遅れてやってきたが、私とイズミさんは昼までにすっかり出来上がってしまったので先に帰ることにした。行きの電車で車窓から「足利健康ランド」を見つけたので、お風呂に入って帰ることにしていたのだ。

 風が強くて、体が砂まみれになっていたので、お風呂に入るのは気持ちが良かった。イズミさんは最近水泳を始めたのだが、息継ぎができないというので、近々時間を作って一緒に泳ぎに行くつもりだった。しかし足利健康ランドには、全裸で泳げるプールがあった。

 というわけで、私達は浮き輪で泳ぐ子供に混じって、全裸で息継ぎの練習をした。酔って調子に乗っているのだが、結構真面目に練習をした。
 私は二十歳を過ぎてから、独学で泳げるようになった。だから、泳げない大人に泳ぎを教えるのは結構上手いつもりだ。

 疲れたなー、というぐらい泳いだあと、あがってビールを飲んだ。それぞれワインを1本飲んでいるから明らかに飲みすぎ。
 帰りの電車はお互い爆睡。でも心地よい睡眠であった。

 楽しかったなぁ。ワインを買ってきたから、開けるのが楽しみ。

お弁当を作った

051120_0754~01001.jpg


 こないだここに「こころみ学園」のことを書いたら、イズミさんから「週末に収穫祭に行きますよ」とメールが届いた。

 収穫祭のことはやぶこと藪本さんから聞いたことがあった。行けたら行きたいな、と思ってそう返事を書いた。それは「一緒に行きたいな」というのではなく、自分も行けたら行くかもよ、ぐらいのつもりだったのだが、イズミさんからは「ぜひ一緒に行きましょう!」という返信がきた。

 イズミさんは高校の同級生と一緒に行くというので、自分がおじゃまするのもどうかなと思い、とりあえずやぶにいつ行くかと尋ねたら、子供が熱を出したので行けないという。だったらお言葉に甘えて、イズミさんと一緒に行くことにした。

 事前のメールによると、北千住発7時51分という早い電車に乗ることと、着いてすぐワインを飲むので、行きの電車でちゃんと食べた方がいい、ということであった。
 土曜はずっとロケだった。ロケを終えて帰りつつ、北千住に駅弁なんてものがあるかなぁ、と考えていた。コンビニ弁当じゃ味気無いし。

 スーパーに寄ったら、珍しく筋子があった。東京の普通のスーパーにはなかなか置いてない。それで、筋子のおにぎりを作ろうとふと思った。イズミさんはどうするのかメールで尋ねたら、コンビニで弁当を買うつもりだというので、イズミさんの分も握ることにした。2個握るのも4個握るのも手間は一緒だし。

 ということで筋子と海苔を買ったのだが、私以外の人にも食べてもらうなら、おかずもあった方がいいよな、と思った。といっても、その時点で夜12時を過ぎていた。翌日北千住に行くならあまり手の込んだものは作れない。

 どうしようかな、と考えて思いついたのが、遠足のお弁当の典型的なおかずにしようかな、だった。遠足のお弁当のおかずといえば、玉子焼きとウィンナーと鶏の唐揚げだろう。ということで材料を買った。買ってみて思ったのだが、この材料って全部安い。

 日曜は朝5時に起きておかずを作った。玉子焼きは普通に作ればいいのだが、だし巻きにしようかな、と思ってまず昆布とかつおぶしでだしをとった。鶏肉は塩をして30分ほどおき、出た水分を拭き取ってから下味をつけると水っぽくならないのでそうした。ウィンナーは、やっぱタコだよなーと思い、足や口や目の部分に切り込みを入れた。ごはんは炊飯器で炊いたが、炊きたてだと熱くて握れないのでおひつに移した。適度に水分が抜けるのでごはんもおいしくなる。

 6時半には家を出るつもりだったのだが、自分の身支度の時間を考えていなかったので、いろいろ作っていたらあっという間に6時半になってしまった。唐揚げを揚げながらウィンナーを炒めたりしていたので、唐揚げもちょっと揚げすぎ。それが上の画像だ。
 かなり慌てて家を出たが、なんとか電車には間に合った。イズミさんの友達は寝坊をしたというので、結局2人で向かうことになった。

 お弁当には感心してもらえたが、米を3合炊いて、もったいないので全部握ったら6個できた。3つは筋子、あとの3つは鮭フレークにかずのこが混じっているものをマヨネーズで和えたやつを具にした。

 母親譲りかどうか知らないが、おにぎりがでかいので私は1個半しか食べられなかった。イズミさんは2個食べてくれた。

 続きは別の画像を添えて書こうっと。



なお美さんとワイン

 「モンドヴィーノ」という、ワインがテーマの映画の上映イベントで司会。

 きょうがボジョレー・ヌーヴォー解禁日ということで、映画の上映前にワインについてトーク。ワインについてトークといえばこの方しかいないであろう。そう、ゲストは川島なお美さんであった。

 午後からの「美味しいズム」の収録が順調に終わり、渋谷のアミューズCQNにはちょっと早めに着いた。なお美さんは先に入って、一旦外出したとのことだったので、荷物を置こうと控え室のドアを開けたら、いきなり犬に吠えられた。
 おー、これがウワサのシナモンちゃんとココナツちゃんか。テレビで見たことはあったが、本当にかわいい。「吠えないでね」と言いながら顔を見たら、まん丸な目でじーっとこっちを見て、すぐおとなしくなった。こりゃなお美さんじゃなくても夢中になるであろう。

 劇場に来ている人には、ほんの少しの量だが、赤ワインが配られた。打ち合わせのときにその話になったら、なお美さんが「あら、じゃあ私たちもワインいただきましょうよ、せっかくだから」とおっしゃった。開始10分前でバタバタしていたのだが、確かになお美さんはワインを手にしていた方がよりそれらしい。

 といっても、会場の皆さんにはプラスチックのカップに入れて渡していたので、ワイングラスの用意が無かった。なお美さんは「私は別にいいけど」と言ったが、テレビの取材が入っているし、プラスチックカップでは絵にならない。

 ということで一同あきらめかけたのだが、そこでなお美さんが「下のレストランで借りたらいいんじゃない?グラスぐらい絶対あるわよ」と言った。

 これをわがままだと思う人もいるのかもしれないが、なお美さんはその方が雰囲気が出ると真面目に考えてくれていて、私ももしそうできるんだったらその方がいいと思った。全員で乾杯、って面白い。
 というわけで、スタッフが大慌てでレストランに行き、無事ワイングラスを借りてきた。

 壇上のテーブルで私がワインを注ぐ、という段取りにして、時間が遅れていたので急いで会場に入り、なお美さんを紹介した。
 いざワインを注ぐ段になって、川島なお美さんの前でワインを注ぐという行為の大胆さに気がついた。何か間違ったら「あら違うわよ」と言われかねない。言われてもいいんだけど。

 エチケット(ラベル)を上にして片手で持ち、少しずつ空気を含ませるように注ぎ、最後は雫が垂れないよう回してボトルを立てる。

 確かこんなだったが、この知識をどこで得たか覚えがないし、正しい知識なのかもわからない。こんなことなら練習しとくんだった、と思いつつ「こんな感じでよいでしょうか」と注いだら「あら完璧」と言われた。良かった。

 そしてなお美さんは会場の皆さんと乾杯をしたあと、私の方を向いて小さく「乾杯!」と言いながら、私ともグラスを合わせた。私の人生に川島なお美さんとワインで乾杯する機会がやってくるなんて、と思い、思ったまま口に出して笑われた。

 なお美さんといえば「私の血も肉もすべてワインでできているの」という名言がある。私はこのセリフがとても気に入っていて、福岡にいるときから、同期の舘アナと一緒に、ワインを飲むときには必ず「私の血も肉も…」と言いながら飲んだものであった。壇上でワインを注いでいるときにも、一瞬このセリフが頭をよぎったのだが言わなかった。

 しかし、マスコミ取材のときに「なお美さんといえば血がワインですが」と質問を始めた女性ディレクターがいて驚いた。「血がワインですが」ってそんな質問ありか?と思ったが、ご本人は「昔は私も生意気でしたよねぇ」と軽く答えていた。
 へー、と思っていたらそのディレクターは「では涙は何ワイン」とさらに質問を続けた。チャレンジャーだなーと思って見ていたら、さすがのなお美さんも返答に困り「なんでしょうねぇ」と受け流した。するとそのディレクターは「汗は…」とさらに続けたので、報道陣一同笑ってしまった。

 なお美さんは仕方なく「じゃあソーヴィニヨンブランってことで」と答えていたが、あのディレクターはどこの番組の人だろう。ちょっとすごい。

 後でマネージャーさんに聞いたら、なお美さんは普段あんまり値段を気にしないそうだ。もちろん値段の張るワインを飲むこともあるが、地方ロケで居酒屋に入ったときは、380円のグラスワインでもぜんぜん文句を言わずに飲むのだとか。そして、フランスのワイナリーを回るためにフランス語を勉強していて、とてもお上手だそうだ。もう根っからワインがお好きなのであろう。

 トークショーを終え、なお美さんは犬を連れてニコニコと帰っていった。好きなワインが仕事になるのが本当に楽しいという感じであった。

 ワインといえば川島なお美、みたいなものが自分にもあるといいなぁ。でも、なんにせよ飽きっぽいし続かないし勉強嫌いだからダメだろうな。ダメといえば私、という感じ。ほんとにダメだなーこれじゃ。

ペテカンの芝居

 かけうどんを食べようと思って一番だしをとり、残ったかつおぶしと昆布がもったいないので二番だしをとったのだが、それをどうしようかはあまり考えないまま仕事に出かけた。

 夜はペテカンの公演を観に。

 ペテカンは、演劇的ではない自然な台詞や言葉がとってもいいのだけれど、今回の公演はちょっと違っていた。作・演出の本田誠人くん(電車男で赤いジャージを着てパソコンに向かっていた人。以下まこっちゃん)が、これまで一度やってみたくて、でもやってなかったことをやってみた、みたいな芝居だった。

 全編バカバカしくて、私はバカバカしいのは好きだから楽しかったのだが、今までペテカンがやってきた芝居はどこに行っちゃったのよ、と思う人も多かっただろう。
 でも、ペテカンは結成から10年だそうだから、おそらくはやっとこんな芝居がやれたのだと思う。お客様の期待に応えつつ、どこかで裏切りたいという気持ちが作り手にあって、どうせ裏切るのなら徹底的に裏切ってみようと、まこっちゃんは考えたんじゃないかな。

 芝居のテーマは「妄想」だった。平凡なおじさんの妄想が積み重ねられていくのだが、その妄想が本当にバカバカしい。でも、平凡なおじさんの妄想なんてそんなものだろう。そして、妄想の世界に入っていくのにはそれなりの理由や事情があり、本人にとっては現実よりも妄想の方が圧倒的に居心地がいい。

 芝居の主人公は、妄想は妄想だとちゃんとわかって、妄想を乗り越えていく。でも現実には、妄想と現実の境が曖昧になっていく人がいる。同級生を刺すのも、母親に毒を盛るのも、妄想で終わっていれば犯罪にはならなかっただろう。

 現実は逃げられないから現実で、逃げられないから辛い。でも、現実を他人のせいにしても現実は変わらない。現実を変えるのは自分にしかできない。逃げることも自分にしかできないけれど、逃げても何も変わらない。自分の人生だから、必死に自分で変えない限りはなかなか変わらない。そしてそれは、現実を生きるのに不器用な人ほど難しい。

 逃げ方にはいろいろあるんだけれど、他人の家を燃やすとか、そういう逃げ方をする人がニュースになることが多くなってきた。ゴミを集める人も、集めているようで何かから逃げている。その方法しか見つからなかったのだろうかと思う。

 他人の家を燃やしたことの理由を、その人が所属している組織に求めたり、ゴミを集める人を「変人」として扱ったり、それは伝え方として一番わかりやすくてラクなのだけれど、でもなんにも伝わっていないよなーと思う。
 もちろん、他人の家を燃やす人には、同業者だろうと私は何の弁護もできない。悪いのは本人だ。組織がどうであろうと、他人の家に火をつけてはいけない。本人がそれを組織のせいにするなら、バカモノと怒鳴ってやりたい。自分の人生に関係無い人を、迷惑な形で巻き込んではいけない。
 ただ現実には、そういうことをしちゃった人がいる。同業者として私は許さないけれど、そういう人がいるのは現実だ。

 ペテカンの芝居はいつも自然なのだけれど、まこっちゃんは多分、自然な演技の先、より現実的なこと、みたいなものを思ったんじゃないかな。普通の先の普通、現実の先の現実、みたいな。打ち上げにも顔を出したのだけれど、そこまでは話せなかったから、また改めて聞いてみよう。

 きょうは笹峯あいちゃんも観に来ていて、あいちゃんに「The LOVE」というバンドの方を紹介された。聞き覚えのあるバンド名だったので「出身はどちらですか?」と聞いたら「福岡です」と言うので、やっぱり!と思った。

 福岡で局アナをやっていた頃、24時間テレビのステージイベントの司会をしたことがあって、そのときに「ザ・ラブ」という名前のバンドがいた。放送されないイベントだったので「ラブって大事ですね」とか適当なことを言いながら紹介をしたのだが、聴いてみたらそのバンドだけやたら上手かったのだ。
 その後、ひょんなことから「The LOVE」がメジャーデビューをしたと聞いて、良かったなーと思ったし、頑張って欲しいなーと思ったのだけれど、個人的な交流は無かったのでそれっきりであった。
 そのことを話したら、とても驚いて、喜んでくれた。せっかくのご縁なので、また改めて聴いてみよう。

 明日は昼から公演なので、早めに解散した。家に帰って、朝なんとなくとった二番だしをどうしようかな、と考えて、こないだ山縣さんからいただいたさつま揚げがあったので、合わせてみることにした。

 さつま揚げは真空パックになっていて、説明書にはパックごと5分温めるとあったのだけれど、パックから出して3分ほど茹でた。その方が油が抜けると思ったからだ。
 二番だしはおたま5杯分小鍋に入れて、みりんとか醤油とか砂糖とか塩で適当に味付けして、風邪気味だったので思いつきで生姜の絞り汁も入れ、さらに思いつきで水溶き片栗粉でとろみをつけた。

 温まって油も抜けたさつま揚げを器に入れ、とろみをつけた汁をかけ、生姜のすりおろしを載せて食べた。
 いやー、これはおいしい。さつま揚げの油がほどよく抜けたところに、とろみのあるだしが絡んでおいしかった。生姜もとても合う。適当に作ったのでレシピは出せないが、この書き方で想像がつく方は一度お試しを。


高山さんとレミさん

051113

日々ごはん5 高山なおみ アノニマ・スタジオ

 こないだ、丹治さんと待ち合わせをしているときに、この本を読んでいた。

 文中には「これから、丹治君がいらっしゃる。」といった調子で、タンちゃんが何度も出てくる。この本を作ったのはタンちゃんだから、打ち合わせとかで何かと登場しても不思議はないのだが、これからタンちゃんに会うというときに、読んでいる本に「丹治君」が登場すると、なんだか不思議な気がする。

 そう思って読んでいたら、「アナウンサーの今泉さんが見学にいらっしゃる」といきなり自分が登場したので、ちょっとビックリした。

 そうだった。「野菜だより」という本の撮影を、見学させてもらったことがあった。

 撮影が終わった料理を、みんなでどんどん食べて、それが本当においしくて、幸せだったっけなぁ。高山さんから見た私は、本にこんな調子で登場する。

 今泉さんは、ひと口食べてはそのおいしさをいちいち報告しにきてくれた。ただ「おいしい」って言うんではなくて、どんな風においしいのかちゃんと説明してらっしゃるところがテレビっぽくておかしかった。

 ……恥ずかしい。でも本当においしかったのだ。「おいしい」だけで済ますのが申し訳ないくらい。

 もう一か所、私が登場するのだが、それは高山さんが「きょうの料理」の打ち合わせのためにNHKのスタジオにやってきたところだ。その日収録をしていたのは平野レミさんで、高山さんはレミさんのことを「レミさんはいつも、大人っぽくとり繕ったり、媚びたり、どんな人にもぜったいにしない。誰にでも同じ態度で接する人だ。どんな有名な偉い人にも、天皇陛下にだってきっと媚びない人だと思う」と書いている。

 こないだ「ウチくる?」のゲストがレミさんだったのだが、番組の中で、清水ミチコさんが「レミさんは誰に対しても絶対に態度を変えないところが素敵」と言っていて、昔コントの収録で、美空ひばりさんにダメ出しをしたエピソードを披露していた。ひばりさんがコントに出るというだけでとんでもないことだったのに。

 レミさんとは一度「暮らしQ&A」でご一緒したが、リハーサルも本番も、その前もその後も、ずーっとあのまんまのレミさんだった。私が「レミパン売れてますよね~」と言ったら「でもねー、鍋屋のオヤジにうまいことやられちゃってさー、あれ私は儲からないのよねー、あはははー」と笑いながらおっしゃったので、私も大笑いした。笑ってる場合じゃないんだけど。

 あと、番組で阿川佐和子さんが、レミさんの家に泥棒が入ったときの話をしていた。家に帰ったら鍵が開いていて、驚いたレミさんは交番に駆け込んで警官を呼んだ。ひきだしに入れていた百万円が無くなっていたので、そのひきだしを指差すように言われて、その様子を警官が写真に撮ったのだが、レミさんはうっかりカメラに向かって微笑んでしまい「奥さん、笑わなくていいです」と言われたそうだ。
 他にも、1階を調べたあと2階に上がったら、いろんなものが床に散らばっている状態だったので、警官が「ここも荒らされてますね」と言ったら、夫の和田誠さんが「いや、ここはいつもこんな感じです」と言ったとか、さらには後日泥棒がつかまったときに、レミさんの家については「あそこは先に誰か入ってました」と言ったいうオチまでついて、もう抱腹絶倒であった。

 今からレミさんのようにはなれないけれど、なるべくあんな感じで生きていきたい。どこに行っても、誰に会っても、だいたいいつもの自分でいられるように。

奇談

 「奇談」という映画の試写会の司会。監督の小松隆志さんと、藤澤恵麻さん、阿部寛さんの舞台挨拶があった。

 阿部さんは大きいんだろうと思っていたが、大きくて面白い方であった。藤澤さんはNHKの連ドラ「天花」でヒロインだった。まだ若い女優さんなので、緊張していてかわいらしい。

 上映に先立って舞台の上でお話を聞いたのだが、阿部さんが途中で答えに詰まり「こうやって噛むんですよね、ドラゴン桜でもよく噛んでたんですけど」と言ったので、「ハプニング大賞に出てましたよね」と受け、ふと野際陽子さんが「阿部さんは本当に大きくて、100mぐらい…」と番組で言っていたことを思い出して「野際さんが、阿部さんは100mって言ってましたね」と言ったら、阿部さんは番組を見ていなかったらしくウケていた。

 終了後、渋谷で「暮らしQ&A」を一緒にやっていたスタッフと久々に会う。3月以来会っていなかったのだけれど、そんな感じがしない。改めて、気の合う人たちと仕事ができたんだなーと感謝。
 終わった番組のスタッフと飲めるというのは、本当にわだかまりなく仕事ができたということだから、とてもありがたいことだ。今は一緒に仕事をしていないのだから、お互いに何かひっかかるところがあるのなら、わざわざ会って飲む必要はない。
 またいつか、一緒に仕事ができたらいいよねーと話したのだが、それは仕事欲しさに言っているんじゃなくて、また気持ちの合う人と楽しく仕事ができたらいいな、ということ。仕事目当てに気を遣って飲んでも楽しくないし。

 2軒目に行ったバーの名前に見覚えがあったのだが、某社編集土江さんオススメのバーだった。土江さんはいい店をたくさん知ってるなぁ。

水たきセット

 C1000タケダのCMで「私のC1000飲んだ」とハセキョーさんに責められている男の人がどうも気になっていたのだが、ほんのちょっとしか映らないので、なぜ気になるのかわからなかった。
 きょうふと、たたずまいが東京タンバリンの瓜生さんに似てるからだ、と気づいたのだが、ひょっとして本人なのでは?と思ってメールで尋ねたら当たりだった。もうちょっと映してあげたらいいのに、と思うが私の日経新聞のCMも似たようなものだもんな。主役じゃないし。

 はなまるの九周年スペシャルのときに取材をさせていただいた、福岡の水たきのお店「水月」から、水たきセットが届いた。

 取材のときにご主人が「配送もやっているんですよ」とおっしゃっていたので、そのうちぜひ頼んでみようと思っていたのだが、取材のお礼にと送ってくださったのだ。
 このセットはすごい。調理済みの肉がスープに入っていて、野菜もほぼ切ってあって、ポン酢も柚子こしょうも全部入っているので、鍋さえ用意すればすぐに食べられる。一から作ろうと思ったら、鶏を煮込んでスープをとるところから始めなければならないから、これはいい。

 とはいっても一人で食べられる量ではないので、やぶこと薮本さんの家で食べることにした。やぶは来年から、ダンナの仕事の都合でイギリスに行くので、その前に会わなきゃね、と話していたのだ。
 なんでだか、やぶの家では私が台所に立つことが多い。やぶがダンナに「きょう今ちゃん来てるよ」と電話をすると「きょうは何を作ってくれるの?」と普通に聞くらしい。わはは。

 水たきセットには食べ方がちゃんと添えてある。まずはスープを食べ、それから肉を食べ、最後に野菜を食べる。一気に全部入れないことで、肉が煮えすぎたりスープが濁ったりせず、最後までおいしくいただける。
 やぶのダンナが帰ってくるまで待っていたのだが、考えてみたら、水たきだったら具をとっておけば後から食べられる。同期のアナウンサーで、やぶの家の近所に住んでいる小林みほ子さんが遅れてやってきたのだが、スープは濁っていないし具も最初から食べられるので、すんなり合流できた。

 シメは雑炊、というのが定番なのだが、日の出のうどんがあったので持っていき、茹でてから水で締めておいた。鍋に入れようとしたら、やぶのダンナが「せっかくだからそのまま食べたい」というので、ちょっとずつぶっかけで食べて、残りを鍋に入れた。うどんが合わないわけはない。

 やぶの家に行くと、必ず「こころみ学園」のワインを出してくれるのだが、これがまた本当においしい。いつもやぶの家で飲むから、自分で買ったことはないのだけれど、やぶがいなくなったら飲めないから自分で買おう。

 リンクを張ってみたが、水たきもワインもオススメなのでお試しを。

三好さんとごはん

 こないだ、船橋東武の催事に「日の出製麺所」が出店したときのことが、こちらに載っている。

 その「日の出製麺所」の三好さんが、きのうまた上京したので、ごはんを食べた。今度は何ですか、と尋ねたら「ニューヨークにうどんを打ちに行くんです」とのことであった。
 この、うどんを世界に広めようという「SANUKIプロジェクト」のことはここに書いてある。うどんの話もそうだけれど、三好さんがジョギングしていたら迷子になったとか、まぁとにかく面白いのでご一読を。

 三好さんをどこにお連れしようかな、と考えて、結局いつも行くごはん屋さんにした。ここはうどん屋さんでもあり、以前日の出のうどんを差し上げたことがある。実はおとといも、TBSの赤荻くんと一緒に食べにきたのだけれど、帰りに「やっぱりここにしよう」と思ったので、二日続けておじゃました。

 三好さんとお会いするのは、2年前の取材のときと、こないだの船橋に続いて3度目で、よく考えたらちゃんとお話したことが無かった。でも、最初にお会いしたときに、三好さんはじめ日の出製麺所の皆さんの暖かい雰囲気がとても好きになったので、ぜひまたお会いしたいと思っていたのだ。

 お店のこととか、うどんのこととか、食べながらいろいろ教えてもらったのだが、お店を始めるに至った経緯は何度聞いてもおかしくて笑ってしまう。

 香川には、製麺所なのだけれど店先や軒先でうどんが食べられるところがいくつもある。日の出製麺所は大きな製麺卸なのでそれはやっていなかったのだが、讃岐うどんブームのとき、通りかかった人が「どうしても食べてみたい」というので、仕方なく茹でて食べさせたのだそうだ。
 そんな光景を見た近所の人が「あそこうどん屋始めたみたい」というのでやってくるようになり、仕方が無いのでテーブルを出してしょうゆだけ置いておいたら、いつの間にか近所の人が自分でネギやしょうがを持ってくるようになり、さらには「ネギとしょうがを他のお客さんにもふるまってる!」(三好さん談)という光景を見て、これはいかんというので店を1時間だけやることにしたのだそうだ。

 つまり、日の出の従業員さんは、自分たちの昼休みを返上してお客さんの相手をしているわけだ。それなのに、皆さん本当に親切でやさしい。「日の出製麺所」を検索すると、店の方の優しさと、三好さんの「美人の奥さん」の話がよく出てくる。そして奥様は本当に美人。

 おとといは最後にいくらご飯を食べたのだが、きのうはうどんでシメ。三好さんにはとても喜んでもらえて、私も嬉しかった。

 三好さんが新橋のホテルに泊まっていたので、もう一軒、銀座のバーに行く。翌朝7時の成田エクスプレスに乗るので、行きの飛行機でよく眠れるように、あえてちょっと夜更かしをするのだとか。

 今朝「行ってきます」というメールが届いていたから、無事起きてニューヨークに向かったらしい。
 私はきょう、こないだ三好さんにいただいて冷凍しておいたうどんを茹でて食べた。最初はぶっかけ、次は釜玉。やっぱりおいしい。家でこのうどんが食べられるって、本当に嬉しい。今度はちゃんとだしをとって、かけうどんにしてみようかな。

 今度は私の方が四国に行って、お店で出来立てのうどんを食べよう。本当においしかったもんなぁ。

おすぎさん

 今朝のはなまるカフェのゲストは、おすぎさんであった。

 4年ほど前、テレビ朝日の「スーパーモーニング」で、ニュースを紹介するキャスターを担当したことがある。おすぎさんはレギュラーコメンテーターだったので、朝の打ち合わせでお会いしたときに「はじめまして」とご挨拶をした。

 するとおすぎさんに「ちょっと、アナタいつこっちに来たのよ」と尋ねられた。番組を担当したばかりだったので「この4月から…」と答えたら「そうじゃないわよ、アナタ福岡にいたでしょ、いつこっちに来たの」と言われて驚いた。おすぎさんは、私が福岡にいるころからご存知なのであった。

 おすぎさんはスタジオに入ってくると、私と平石アナを「おはようっ」とハグするのが日課であった。それはそれで面白い経験だったのと、オンエアに関してはおすぎさんは必ず何かしら喋ってくれて、それは決して的をはずすことがないので、安心できる存在だった。

 しかしその頃から、政界には小泉・真紀子旋風が起こって、ワイドショーの内容が全部政治ネタになってしまった。
 番組全部がニュースのようなものだから、私のコーナーは3ヶ月ほどで自然消滅してしまい、おすぎさんともそれっきりであった。

 今日のゲストがおすぎさんだというのを昨日の打ち合わせで聞いて、自分のコーナーが終わったらスタジオでご挨拶をしようと思っていたのだが、今朝本番前にスタジオで出す料理の味見をしていたら、はなまるカフェ担当のディレクターに「おすぎさんが、顔出しなさいっ!て」と言われたので、慌てて楽屋に飛んでいった。

 おすぎさんは私の顔を見るなり「元気だった?頑張ってるねぇ」と言って手を握った。はなまるに出ていることをご存知無かったので、台本に私の名前を見つけて、働いているのだと安心してくれたのであった。
 「食べていけてるの?」と真顔で聞かれたので「まぁなんとか」と答えたら「良かった、あなたは上手だしちゃんとしてるし優しいから、大丈夫だとは思うんだけど、仕事が続いてて本当によかったわねぇ」と、しみじみ言ってくださった。

 ほんのちょっとのお付き合いなのに、自分のことを、仕事に対する姿勢まで含めて覚えていて、気にかけてくれるというのはとても嬉しいことであった。本番前だたのでちょっとしかお話できなかったが、ありがたかった。

 CM中、岡江さんが私との関係について聞いたらしいのだが、おすぎさんは「福岡にいたときから見てたんだけど、いきなりいなくなっちゃったの。それでどうしたかなーと思ってたらテレビ朝日の番組でちょっとだけ一緒になって。とにかく優しいのよこの人」と、わざわざちゃんと説明していらした。

 おすぎさんは、ウソやお世辞を言わない。私にも岡江さんにも「優しい」と言うのは、おすぎさんが本当にそう思ってくれているからだと思う。でも、おすぎさんに何か親切をした覚えもないし、大体にしてちゃんと話したことすら無い。私の仕事を見てそう感じてくれたのだと思うけれど、本当のところはわからない。

 誰かが見ていてくれるって、ものすごく力になる。こういうことを言うと「おすぎさんの好みなんじゃないの」などと思われるだろうが、そんなに単純な人じゃない。それはこちらも、一緒に仕事をしたのでわかる気がする。

 さて、きょうは人と会う予定がいろいろだ。行かなくちゃ。

一人ホテルのその後

 赤坂のホテルには昨夜9時前にチェックインした。おなかが空いたので、ルームサービスで何か頼もうかと思ったが、あまりそそられるメニューが無かった。それに高い。

 じゃあホテル内のレストランに行こうかと案内を見ると、みんな9時半で閉まってしまう。ホテルを出れば食べるところはいくらでもあるが、それじゃちっとも非日常感がない。何にこだわっているんだか自分でもさっぱりわからなくなってきたが、ちゃんと案内を見たら、寿司屋だけが10時半まで開いていたので行くことにした。

 カウンターには誰もいなかったが、小上がりには誰かがいるようだった。席に着いて、ビールとつまみを頼んだが、横で新人らしい若い女の子と板前さんが「エンガワないんですかー」「だから無いって」「えー、あるって言っちゃったんですけどー」というやりとりをしていた。なんだか雰囲気がゆるい。
 1貫ずついろいろ食べたが、可もなく不可もなく、という感じ。こはだが小ぶりでおいしかったのと、いくらの味付けが薄めで好きだったのでそう伝えたら、板前さんの機嫌がちょっと良くなって、いろいろと話しかけてきた。

 旅行かと聞かれたので「家に工事が入ったので」とウソをついたら、板前さんは「あ、家建てるのね、いいねぇ、うちなんか築35年の団地」と、私の状況を勘違いしたうえにちょっと愚痴が出た。さらに「ここは泊まり勤務があってね、私なんかいい年なんで泊まりはキツイんだよねぇ」って、なんでまた初対面の私にこんなに愚痴っぽいんだか。

 ネタをひと通り食べて店を出た。ホテルの寿司屋だから高いだろうな、と思ってはいたのだが、高かったー。あの内容でこれかー。私が普段行っている(なーんて、そんなにしょっちゅう行くわけでもないけど)寿司屋の方が、ネタがいいしおいしい。たぶんもう行かない。

 まったく何やってんだろうな、と思いながら部屋に戻ったら、携帯に着信があった。三重に住んでいる友達が、急な仕事で上京しているというのだ。
 いつもならどこかの飲み屋で待ち合わせるところだが、友達のいるホテルも近かったのでこっちに呼んだ。スイートだからソファーあるし。

 12時過ぎまで部屋でいろいろと話し、友達が帰るというところでタンちゃんから飲みの誘いがあったので、タクシーで出かけてちょっと飲んだ。ダ・ヴィンチの関口さんも一緒。
 ホテルを出て外で飲むと、いよいよ何のために泊まっているんだかわからなくなったが、もうなんだかどうでもよくなってきた。

 タンちゃんが帰るタクシーに同乗して、ホテルまで送ってもらった。送ってもらい、バスタブにお湯を張って入浴剤を入れ、本を読みながらゆっくりつかる。最近のホテルはお風呂が充実しているが、ここはそんなに新しくないので風呂は広くない。

 風呂上がりにまたビールを飲んで寝た。加湿器を借りてあったので快適に寝たが、朝起きたら一瞬どこだかわからなくてビックリした。
 9時45分にTBSに行くことになっていたが、9時前に起きても十分間に合うのでとてもラクだった。これが今回一番よかったことだったな。

 というわけで、よくわからないホテル滞在になったが、なんか気分転換にはなったような気がする。っていうかこないだ伊東に行って気分転換したばっかりだっけ。まぁいいや。
 今回はよくわからなくなったが、男子同士でも女子同士でも、友達とゆっくり話すなら「泊まり飲み」はオススメだ。面白いよ。

泊まり飲みのはずが

 きょう会えないか、と友人からメールがきた。しかしきょうは夜遅くまでロケがあって、明日も朝からロケだ。日にちをずらそうとしたがやっぱりきょうしか無い。遅くなると友人は家が遠いので帰れなくなってしまう。会えたとしてもせいぜい1時間だ。

 ちょっと考えて「泊まり飲み」をやることにした。ホテルを予約しておいて、外で食事をしたら、酒を買って部屋に行き、シャワーを浴びて着替えて、テレビを見ながらだらだらと飲むのだ。いつでも寝られるという気楽さと、2人だけだから何の話をしてもいいという安心感と、旅行に行ったような非日常感が味わえてよい。
 宿泊代はかかるが、夜通し飲んだりカラオケに行ったりするのと、結局のところあんまり変わらない。それに、ネットの当日予約だと、ビジネスホテル並の値段でシティホテルに泊まれる。東京に住んでいると、東京のホテルに泊まる機会はなかなかないから、それだけで結構楽しい。

 明日の仕事がTBSなので、赤坂のホテルをきょう予約した。なるべく早く終わりたいな、と思っていたら、ロケが夕方で終わってしまった。だったら泊まらなくていいじゃん!と思ったが、予約しちゃったのでしょうがない。

 「早く会えるよー」とメールを出したら、しばらくして友人から電話がかかってきた。地方に住んでいるお兄さんが事故にあって、状況がよくわからないのだが意識が無いらしく、親が動揺しているので一緒に行くかもしれない、というのだ。

 「申し訳ない」と謝られたが、私に謝っている場合じゃない。すぐ行ってあげなよ、と電話を切った。

 というわけで、私一人で赤坂のホテルに泊まることになった。なんだかなーという感じだが仕方がない。今キャンセルしたって全額払わなきゃならないんだし。

 とりあえず、ホテルに行く前に赤坂のマンガ喫茶で日記なんか書いているわけだが、こうなったらホテルライフをエンジョイしてやろう。きょうはパソコン置いてきちゃったんだけど、一旦家に帰って取ってこようかな。家に帰ってからホテルに泊まりに行くってのがどうにも腑に落ちないけど。

野村さんと大木さんの本

051101


 このブログを読んで早速船橋までうどんを買いに行った方がいるそうだ。それはそれは。

 ドリームゲートの野村さんから「でっかいシャンパンを買ったんだけど、なかなか空かないから来てー」と電話があったので出かけていった。行ってみるとぴあの大木さんがいて、いったい何の会なのかなーと思ったら、野村さんと大木さんは一緒に本を作ったそうで、昨日が発売日だったのだ。それが上の本「イタリアンでアンチエイジング」だ。
 かたわらには大きなヴーヴ・グリコの瓶があったが、ほとんど空いていた。なんだ飲んでんじゃん。

 野村さんの会社には、インターンシップでやってきている学生さんが何人もいる。そして野村さんの家には、おいしいお酒がいろいろある。というわけで、学生さんたちはおいしいワインを学生のころから飲むことができるわけだ。いいなぁ。

 飲んでいたワインが空いたので、別のものを空けようとワインセラーを覗いたら、学生さんの一人が「○○はおいしいですよ」とか教えてくれるので、大木さんと二人でふんふんと聞いていたのだが、ふと自分の方がずっと年上であることに気づき「なんか学生にワインを教わるってのはどうなんだろうね」と言い合って笑った。

 私も会社を作ったら、あんなふうに学生さんとわいわい働いてみたいものだ。わいわい働いて、夜はわいわい飲むのだ。まぁ会社を作る予定は無いんだけど。

 本には「アルポルト」の片岡さんのレシピがたくさん載っている。イタリアンは普段なかなか作らないんだけど、おいしそうだから今度やってみよう。

« 2005年10月 | トップページ | 2005年12月 »

2018年10月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31      
無料ブログはココログ