なお美さんとワイン
「モンドヴィーノ」という、ワインがテーマの映画の上映イベントで司会。
きょうがボジョレー・ヌーヴォー解禁日ということで、映画の上映前にワインについてトーク。ワインについてトークといえばこの方しかいないであろう。そう、ゲストは川島なお美さんであった。
午後からの「美味しいズム」の収録が順調に終わり、渋谷のアミューズCQNにはちょっと早めに着いた。なお美さんは先に入って、一旦外出したとのことだったので、荷物を置こうと控え室のドアを開けたら、いきなり犬に吠えられた。
おー、これがウワサのシナモンちゃんとココナツちゃんか。テレビで見たことはあったが、本当にかわいい。「吠えないでね」と言いながら顔を見たら、まん丸な目でじーっとこっちを見て、すぐおとなしくなった。こりゃなお美さんじゃなくても夢中になるであろう。
劇場に来ている人には、ほんの少しの量だが、赤ワインが配られた。打ち合わせのときにその話になったら、なお美さんが「あら、じゃあ私たちもワインいただきましょうよ、せっかくだから」とおっしゃった。開始10分前でバタバタしていたのだが、確かになお美さんはワインを手にしていた方がよりそれらしい。
といっても、会場の皆さんにはプラスチックのカップに入れて渡していたので、ワイングラスの用意が無かった。なお美さんは「私は別にいいけど」と言ったが、テレビの取材が入っているし、プラスチックカップでは絵にならない。
ということで一同あきらめかけたのだが、そこでなお美さんが「下のレストランで借りたらいいんじゃない?グラスぐらい絶対あるわよ」と言った。
これをわがままだと思う人もいるのかもしれないが、なお美さんはその方が雰囲気が出ると真面目に考えてくれていて、私ももしそうできるんだったらその方がいいと思った。全員で乾杯、って面白い。
というわけで、スタッフが大慌てでレストランに行き、無事ワイングラスを借りてきた。
壇上のテーブルで私がワインを注ぐ、という段取りにして、時間が遅れていたので急いで会場に入り、なお美さんを紹介した。
いざワインを注ぐ段になって、川島なお美さんの前でワインを注ぐという行為の大胆さに気がついた。何か間違ったら「あら違うわよ」と言われかねない。言われてもいいんだけど。
エチケット(ラベル)を上にして片手で持ち、少しずつ空気を含ませるように注ぎ、最後は雫が垂れないよう回してボトルを立てる。
確かこんなだったが、この知識をどこで得たか覚えがないし、正しい知識なのかもわからない。こんなことなら練習しとくんだった、と思いつつ「こんな感じでよいでしょうか」と注いだら「あら完璧」と言われた。良かった。
そしてなお美さんは会場の皆さんと乾杯をしたあと、私の方を向いて小さく「乾杯!」と言いながら、私ともグラスを合わせた。私の人生に川島なお美さんとワインで乾杯する機会がやってくるなんて、と思い、思ったまま口に出して笑われた。
なお美さんといえば「私の血も肉もすべてワインでできているの」という名言がある。私はこのセリフがとても気に入っていて、福岡にいるときから、同期の舘アナと一緒に、ワインを飲むときには必ず「私の血も肉も…」と言いながら飲んだものであった。壇上でワインを注いでいるときにも、一瞬このセリフが頭をよぎったのだが言わなかった。
しかし、マスコミ取材のときに「なお美さんといえば血がワインですが」と質問を始めた女性ディレクターがいて驚いた。「血がワインですが」ってそんな質問ありか?と思ったが、ご本人は「昔は私も生意気でしたよねぇ」と軽く答えていた。
へー、と思っていたらそのディレクターは「では涙は何ワイン」とさらに質問を続けた。チャレンジャーだなーと思って見ていたら、さすがのなお美さんも返答に困り「なんでしょうねぇ」と受け流した。するとそのディレクターは「汗は…」とさらに続けたので、報道陣一同笑ってしまった。
なお美さんは仕方なく「じゃあソーヴィニヨンブランってことで」と答えていたが、あのディレクターはどこの番組の人だろう。ちょっとすごい。
後でマネージャーさんに聞いたら、なお美さんは普段あんまり値段を気にしないそうだ。もちろん値段の張るワインを飲むこともあるが、地方ロケで居酒屋に入ったときは、380円のグラスワインでもぜんぜん文句を言わずに飲むのだとか。そして、フランスのワイナリーを回るためにフランス語を勉強していて、とてもお上手だそうだ。もう根っからワインがお好きなのであろう。
トークショーを終え、なお美さんは犬を連れてニコニコと帰っていった。好きなワインが仕事になるのが本当に楽しいという感じであった。
ワインといえば川島なお美、みたいなものが自分にもあるといいなぁ。でも、なんにせよ飽きっぽいし続かないし勉強嫌いだからダメだろうな。ダメといえば私、という感じ。ほんとにダメだなーこれじゃ。
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