« 奇談 | トップページ | ペテカンの芝居 »

高山さんとレミさん

051113

日々ごはん5 高山なおみ アノニマ・スタジオ

 こないだ、丹治さんと待ち合わせをしているときに、この本を読んでいた。

 文中には「これから、丹治君がいらっしゃる。」といった調子で、タンちゃんが何度も出てくる。この本を作ったのはタンちゃんだから、打ち合わせとかで何かと登場しても不思議はないのだが、これからタンちゃんに会うというときに、読んでいる本に「丹治君」が登場すると、なんだか不思議な気がする。

 そう思って読んでいたら、「アナウンサーの今泉さんが見学にいらっしゃる」といきなり自分が登場したので、ちょっとビックリした。

 そうだった。「野菜だより」という本の撮影を、見学させてもらったことがあった。

 撮影が終わった料理を、みんなでどんどん食べて、それが本当においしくて、幸せだったっけなぁ。高山さんから見た私は、本にこんな調子で登場する。

 今泉さんは、ひと口食べてはそのおいしさをいちいち報告しにきてくれた。ただ「おいしい」って言うんではなくて、どんな風においしいのかちゃんと説明してらっしゃるところがテレビっぽくておかしかった。

 ……恥ずかしい。でも本当においしかったのだ。「おいしい」だけで済ますのが申し訳ないくらい。

 もう一か所、私が登場するのだが、それは高山さんが「きょうの料理」の打ち合わせのためにNHKのスタジオにやってきたところだ。その日収録をしていたのは平野レミさんで、高山さんはレミさんのことを「レミさんはいつも、大人っぽくとり繕ったり、媚びたり、どんな人にもぜったいにしない。誰にでも同じ態度で接する人だ。どんな有名な偉い人にも、天皇陛下にだってきっと媚びない人だと思う」と書いている。

 こないだ「ウチくる?」のゲストがレミさんだったのだが、番組の中で、清水ミチコさんが「レミさんは誰に対しても絶対に態度を変えないところが素敵」と言っていて、昔コントの収録で、美空ひばりさんにダメ出しをしたエピソードを披露していた。ひばりさんがコントに出るというだけでとんでもないことだったのに。

 レミさんとは一度「暮らしQ&A」でご一緒したが、リハーサルも本番も、その前もその後も、ずーっとあのまんまのレミさんだった。私が「レミパン売れてますよね~」と言ったら「でもねー、鍋屋のオヤジにうまいことやられちゃってさー、あれ私は儲からないのよねー、あはははー」と笑いながらおっしゃったので、私も大笑いした。笑ってる場合じゃないんだけど。

 あと、番組で阿川佐和子さんが、レミさんの家に泥棒が入ったときの話をしていた。家に帰ったら鍵が開いていて、驚いたレミさんは交番に駆け込んで警官を呼んだ。ひきだしに入れていた百万円が無くなっていたので、そのひきだしを指差すように言われて、その様子を警官が写真に撮ったのだが、レミさんはうっかりカメラに向かって微笑んでしまい「奥さん、笑わなくていいです」と言われたそうだ。
 他にも、1階を調べたあと2階に上がったら、いろんなものが床に散らばっている状態だったので、警官が「ここも荒らされてますね」と言ったら、夫の和田誠さんが「いや、ここはいつもこんな感じです」と言ったとか、さらには後日泥棒がつかまったときに、レミさんの家については「あそこは先に誰か入ってました」と言ったいうオチまでついて、もう抱腹絶倒であった。

 今からレミさんのようにはなれないけれど、なるべくあんな感じで生きていきたい。どこに行っても、誰に会っても、だいたいいつもの自分でいられるように。

« 奇談 | トップページ | ペテカンの芝居 »

2018年10月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31      
無料ブログはココログ