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すごいものを見た

 浅田真央ちゃんの凄さが、日本中に知られる日がとうとうやってきた。真央ちゃんが演技を終えたあとの瞬間最高視聴率が35.7%だったそうだ。フィギュアスケートの中継でこんな数字はあり得ない。

 いつかこういう日が来るであろうことは、もう何年も前からわかっていた。それなのに全日本や世界選手権の放映権を手放してしまったTBSの人は、この数字を見てどう思っているだろう。

 ショートとフリー、両日をそこそこいい席で見た。グランプリファイナルは、全ての種目のトップクラスの選手をコンパクトに見られるのでいい。ペアやアイスダンスを見るのは久しぶりだったが、改めて「スケートが好きだなー」と思った。今思い出したのだがTBSの採用試験は「フィギュアスケートの実況をしたい」と言って受けていたんだっけ。残り3人というところまで残ったのだが、内定したのは先日結婚した安東くん。

 話がずれた。今回2位になったスルツカヤは、ロシアの伊藤みどりと呼ばれていた選手で、昔から好きであった。ジャンプが高くてスピンが早くて体が柔らかい。新しいルールに一番近い体を持っていて、点数が出るのは当たり前という感じ。今回の演技も、オリンピックでこれができたら金メダルかもな、というくらいの出来だった。強いなーと思った。

 真央ちゃんが滑り終わったとき、私はスルツカヤの演技を全部忘れた。頑張った中野友加里選手の演技も、ペアのチャンピオンの演技もアイスダンスのチャンピオンの演技も、男子の高橋選手や織田選手の演技も全部。

 誰かの演技のどこかと比べる、という次元を超えていた。フィギュアスケートの歴史に残る選手だというのがはっきりわかった。そうなったらいいな、と思っていたが、もう確信した。確信っていうか事実。フィギュアスケートに何の興味もなくても、彼女の演技を見たら幸せになるだろう。年齢も性別も問わず。

 日本スケート連盟の城田強化部長は、「五輪に出場させるために強化してきた選手がいる。その子たちのためにも私が揺れ動くことはできない。浅田は07年の世界選手権(東京)に出場させるために育てている」として、真央ちゃんを五輪に出すための働きかけはしないそうだ。

 異論はあるだろうが、私はそれでいいと思う。最初からそのつもりだったから、真央ちゃんは今シーズンのびのびと滑れたのだ。それに、恐ろしいことに真央ちゃんにはまだまだ伸びしろがある。今五輪に出ても勝ってしまうだろうが、そういう一番の舞台はとっておいた方が、バンクーバーでの最高の演技に繋がる気がする。真央ちゃんが「五輪出たくて出たくてたまらない!」と本気で思うようになったら、それこそ本当に怖いものはない。

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