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川がある暮らし

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 先日、テレビ東京で放送される東京都議会の番組のロケで等々力に行った。等々力といえば等々力渓谷だ。といっても行ったことが無かったのでロケの帰りに立ち寄ってみた。

 等々力渓谷というのは、都内に残る数少ない渓谷。といっても周辺は普通の住宅街だ。駅員のいないこじんまりとした駅を出て、商店街ともいえないような道をちょっと歩き、橋の横にある階段を下りると突然渓谷が現れる。面白い。

 途中で上に橋がかかり、その橋の上は環状八号線。大型トラックがビュンビュンと走っているのだが、橋の下は別世界だ。いいなここ。

 ほんのちょっとの渓谷を公園として整備しているからこの光景が守られているわけだが、そういえば三島にも、市や企業が守っている源兵衛川という素敵な川があった。ここも住宅街の中を流れているのだが、川に石が敷いてあって歩けるようになっている。川岸には木が生い茂り、鳥のさえずりが響いていた。夏には蛍が舞うそうだ。

 私が育った青森の家の近くにも川があった。堤防がある大きな川だったが、川沿いにサイクリングコースがあって、上っていくとただの川になった。結構流れの速い川で、私はそこでおぼれかけ、ズック(おお懐かしい言葉!)を片方流されたことがある。服が濡れて寒くて、たまたま授業で使った虫眼鏡を使い、枯れ木に光を集中させて火をおこし、焚き火をした。授業を実践してるなー。危ないけど。

 東京の川は流れていない。いや、川だから流れてはいるのだけれど、私の頭の中の川とは違う、よどんだ流れの川が多い。澄んだ流れの川がそばにあるだけで、自分の気持ちがずいぶん晴れやかになるんじゃないだろうか。今まで意識したことは無かったが、私はきっと川が好きだ。

 そんな気持ちで等々力渓谷を歩いていたら、おばさんに「あら、そうよね?」と声をかけられた。何がそうなのかと思って「はい?」と振り返ったら「芸能人よね?」と言われた。

 この問いかけの微妙な感じがおわかりいただけるだろうか。声をかけてもらった理由はわからなくはないのだが、私の名前も仕事もわからないぐらいの認識で、それでも見たことがあるからとりあえず芸能人というカテゴリーに入れてみたものの、それは明らかに間違っているのだ。

 私はテレビに出てはいるが、自分の名前を広めようと思って仕事をしていないので、熱心に見てくださっている方以外は、私の顔はご存知でも名前まではご存知無い。それで全く問題は無いのだが、この「芸能人よね?」という質問は初めてだったのでものすごく戸惑った。

 結局私は「いえいえ、芸能人じゃありませんよ」とペコペコ頭を下げながらその場を逃げるように去った。なんでこんなにペコペコしてるんだか自分でもわからなかったが、とにかくどう答えたらいいのかわからなかったのだ。

 もし私が芸能人だったら、人に声をかけられることにもうちょっと腹が座るのだろうかと考えてみたが、芸能人にはみんなそんなにやすやすと声をかけないのではないか。芸人さんはまた別だろうけど、とりあえずアナウンサーって芸能人よりも近い感じだというのはわかる。

 芸能人も芸人もアナウンサーもテレビに出てはいるけれど、基本的には声をかけてくれた人とは見ず知らずの他人だ。テレビに出るという仕事を選んだ時点で、見ず知らずの他人に声をかけられることにどこかで覚悟を持つということがあるんじゃないかな。とはいえ、声をかけられるだけいいじゃないかと、声をかけられない若いアナウンサーは思っているかもしれない。これは人それぞれだと思う。

 ところで、この都議会の番組をやったことで、私は東京にあるテレビ局全ての番組をやったことになる。日テレ、フジ、TBS、テレ朝、NHK、MX、テレ東の順であった。出たくたってなかなか出られないのだから、なかなか感慨深いものがある。この感慨は私にしかわからないと思うけど。


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