スケートアメリカ
その時は残念なことのようでも、後で考えると結果的に良かったね、ということがあるけれど、ことフィギュアスケートについては、そういうことが続いている気がする。
去年のグランプリシリーズで、荒川静香さんは2試合とも浅田真央ちゃんと一緒で、浅田旋風のおかげでファイナルに残ることはできなかった。でも、無心に滑る真央ちゃんを見て、荒川さんは今の自分が守りに入っていることに気づいたし、ファイナルに残らなかったおかげでプログラムを作り直す時間ができた。
真央ちゃんがもし五輪に特例で出ていたら、ひょっとしたらメダルを取ったかもしれない。でも出なかった。結果的に荒川さんは金メダルを取ることができて、五輪に浅田真央が出ていれば、という話は全く出なかった。その後の荒川さんの活躍ぶりはご承知の通りだ。
そして、先シーズンずっと不本意な演技が続いていた安藤美姫ちゃんは、本来持っている能力をちゃんと発揮できるようになった。もし五輪に出ていなかったら、そのままスケートをやめていたかもしれない。そして今、やめなくてよかったと本人が一番感じているだろう。
真央ちゃんが五輪に出なかったことや、コーチを変えたことが今後どうなるのかわからない。でもまぁ、学ぶべき先輩が何人もいるのだから大丈夫だろう。もっともわかりやすい例では安藤美姫ちゃんだ。ジャンプを見てくれる門奈先生と、プログラムを見てくれるモロゾフという2人のコーチを自分で選んだが、自分で選んだ、というのは先シーズン荒川さんがやったこと。コーチ選びは自分で探っていかなければならないということを、荒川さんが教えてくれたわけだ。
個別の選手について感想を書くと長くなるので分けることにして、テレビ放映の話。
フィギュアスケートのグランプリシリーズはこれまでNHKが中継してきた。録画中継でBSのみの放送であった。現地放送局の映像に日本で実況と解説を入れていたので臨場感は無かったが、ひたすら選手の演技を放送してくれていたのでそれはそれで良かった。
今シーズンはスケート放送バブルのような状態になっている。先日TBSで放送された「第1回日米対抗」と題した試合は、実はアメリカで毎年行われている「キャンベル国際」という試合であった。キャンベルというのはアメリカのスープの会社。
シーズン初めなので、買っても負けても別にいい、というレベルの試合なのだが、これが地上波で、しかも夜9時から放送されるなんて思ってもみなかった。視聴率はどのぐらいかなーと思って、局に行ったときに視聴率表を見たら、確か15%台だったので驚いた。
そして今年のグランプリシリーズは、NHK杯を除いて(当たり前だ)テレビ朝日が中継権を取った。地上波での放送になったがペアとアイスダンスは見られなくなった(BS朝日で放送)。いいんだか悪いんだか難しいところだけど。
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