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2007年1月

冬季国体を見に行った

 学生時代から就職の相談に乗っていて、今は制作会社でADをやっているTくんに「国体のフィギュアスケート見に行きませんか」と誘われた。Tくんは番組の取材を通して、京都の醍醐クラブの先生や選手と知り合い、このところ国内の試合を見に行っているのだそうだ。

 その時点では誰が出るのか知らなかったし、予定が空くかどうかもわからなかったので「お互い空いたら行こうかね」ぐらいのつもりにしていた。しかし国体には大阪代表で織田信成くんがエントリーしたため、注目の大会になってしまった。もちろん私も行くことにした。

 行こうと決めてから、改めて前橋への行き方を調べたら、思っていたより遠かった。新幹線を使って高崎で乗り換えて2時間ちょっとかかるのだが、在来線で行っても2時間半ぐらいだからあまり変わらない。
 国体は入場無料で全席自由だから、座って見たければ早めに行くしかないのだが、そのためには結構早起きしなければならない。

 休みの日まで早起きって面倒だなーと思ったので、ビジネスホテルをとって前日入りすることにした。夕方に新宿を出る「ウィークエンドあかぎ」という特急に乗ると、乗り換え無しで前橋まで2時間以内で行けるのもラクだし。

 というわけで前橋にいった。行きの車内で、デパ地下で買った「うにいくら丼」を食べ、ホテルに着いたら近くの日帰り温泉に行き(入場券付きのプランだったので)ビールを飲んで帰って寝た。

 群馬国体のホームページでは9時半から少年男子ショートプログラム、ということになっていたが、会場に行ってみたら10時半からであった。場内はもちろんガラガラで、私は「お金をとるとしたらS席だろう」といういい席を確保した。リンクでは成年男子の公式練習が行われていた。織田選手のほかにも、成年男子には南里康晴選手や神崎範之選手、柴田嶺選手など日本のトップクラスが出場していて、見に来てよかったなーと思った。

 場内はガラガラなのに、私の周囲だけやたらと声援が大きい。最初は選手の家族かと思ったらそうではなく、熱心なスケートファン、というかスケートおたくの女性たちであった。後ろも隣もスケートおたく。確かに、こんな早い時間から会場にいるのは選手か関係者か家族かおたく。

 スケートおたくの皆さんは凄かった。出場する全ての選手に分け隔てなく声援を送り、ガンバと声をかけ、フォーと叫び、演技と演技の間は選手のあんな話やこんな話を喋り続けているのでうるさい(笑)。

 結局少年男子ショートと、成年女子と男子のフリーを全部見たので、24×3で72人の演技を見たことになる。さまざまなレベルの演技をこんなにたくさん見たのは初めてだったが、思ったよりも飽きなかった。我ながら、スケートが好きなんだなーと思った。まぁおたくのみなさんの情熱には遠く及ばないが。

 成年女子フリーが始まると、場内は立ち見が出るほどの混雑となった。男子の試合は夜なので、みんな夜まで立ったまま見るのかと思ったら、女子が終わったところで立っている人がみんな帰っていった。それでも席はほとんど埋まっていたので、織田くんの人気はすごいなぁと改めて思った。

 しかし、男子の試合が進むにつれてまた人が増え、しまいには通路や階段にまで人がいるという超満員状態になった。最終グループの6分間練習のときには、選手がジャンプを跳ぶたびに場内大歓声、というまるで全日本選手権のような雰囲気であった。国体の、しかも男子の試合でこんなことは今まで無かったんじゃないだろうか。とにかく異様な熱気。

 そんな中、まず南里選手が3アクセル+3トゥループを決め、すばらしい演技を披露した。続く織田選手は、今シーズン試合では跳んでいない3アクセル+3トゥループ+3ループを決めた。後半の3アクセルはステップアウトしたが場内大盛り上がり。

 織田選手の演技が終わったところで、一部の観客がぞろぞろと帰り出した。でも半分ぐらい帰るんじゃないかと思ったのに2割ぐらいだったのでかえって意外だった。そして帰らなくて正解であった。場内がざわつく中で始まった柴田選手の演技がすばらしかったのだ。最初の3ルッツ+3トゥループを決めると、プログラムの中のトリプルを全て降りた。私の周りのスケートおたくの皆さんは大興奮でスタンディングオベーションだ。柴田選手のこんなに完璧な演技は初めて見た。

 神崎選手の全日本選手権の演技は素晴らしかったが、きょうの演技の前半はそれ以上だった。2回の3アクセルの着氷は完璧で、いい表情でとても丁寧に滑っていた。あまりに丁寧に滑ったので後半ちょっとバテてしまったが、最後までいい演技であった。最終滑走は大上選手だったが、朝の練習でも試合前の練習でもあまり決まっていなかった3アクセルをものすごい高さで跳び、後ろに3トゥループをつけた。演技中盤の3アクセルも決め、ノーミスでフィニッシュ。本人も感激して涙ぐむほどの内容であった。とてもいい試合だったのだ。

 国体は6点満点の旧ルールで行われるので、選手は秒数や回転数を気にせずのびのびと滑っていたように見えた。試合もお祭りのようなもので雰囲気が温かい。

 もうひとつ面白いことがあった。千葉県の中川選手が、名前がコールされたあと、リンクサイドで立って見ている、試合が終わった他の選手と次々に手を叩き始めた。それが一人や二人じゃなかったのでなんだろうと思って見ていたら、リンクの真ん中に立った中川選手は滑る前から涙ぐんでいた。これが現役最後の演技なのだ。

 ジャンプが決まると大歓声、失敗しても「頑張れー」の大声援で、演技を終えた中川選手は氷にひざまづいて感極まっていた。観客は温かい拍手を送り、リンクサイドからは(観客ではなく仲間から)花束やぬいぐるみなどが投げ込まれ、最後に中川選手が氷にキスをしたところで場内大爆笑。

 全日本も世界選手権もチケットが取れず悔しい思いをしたが、こんなに楽しい試合を生で見られて楽しかった。前橋は遠かったけど行って良かった。

産科医の裁判は間違っている

 福島県立大野病院で、帝王切開の手術中に女性が死亡した事件の公判が始まった。

 この件は以前から関心があって、私なりに調べて考えてみたのだが、警察が「業務上過失致死」と「(異状死体の届け出義務違反による)医師法違反」で立件したのは間違っていると思っている。特に後者なんてメチャクチャだ。

 医師は39歳。病院でただ一人の産科医で医長だった。年間200件余りの出産を一人で担当し、手術の助手は外科の医師であった。

 女性は、胎盤が子宮壁にくっついている「癒着胎盤」の状態だった。「ある産婦人科医のひとりごと」というブログから「産婦人科研修の必修知識2004(日本産科婦人科学会)」という本の記述を引用する。

癒着胎盤だけでは約0.01%とまれな疾患である。

臨床的には、胎盤用手剥離に伴い大出血をきたすことから、二次的にショックやDICを引き起こす。母体死亡に占める割合も約3%にものぼり、産科的に重要な疾患である。

 起こる比率は報道によって差があるが、この数値だと1万回の分娩につき1回の割合ということになる。

 そして肝心なのはここだ。

分娩以前には、その診断は不可能である。

 お腹を開けてみなければわからず、開けて胎児を取り出すと大出血。年間200件の出産を手がけているこの医師は、初めてこの癒着胎盤という症例に遭遇した。
 用意していた血液では足りず、新たに血液をオーダーしたが、地方の病院だったため最初にオーダーした血液が届くまでに1時間15分かかった。その間にも出血は続き、この医師は初めての症例について誰の指示を仰ぐこともできないまま必死に胎盤をはがし、結局子宮を摘出したが、女性は助からなかった。
 総出血量が2万ミリリットルというから、文字通り血の海の中、医師は一人で必死に格闘していたのだろう。

  女性が亡くなったのは2004年の12月。病院と医師は事実を隠すことはなく、福島県は05年3月に事故報告書を公表し、医師は減給処分を受けた。
 このことを報道で知った福島県警が捜査を始め、06年の2月にこの医師を逮捕した。逮捕の理由は「逃亡のおそれ」「証拠隠滅のおそれ」というものであった。医師は事故後もただ一人の産科医として勤務を続けていたので逃亡できるはずもなく、証拠は隠滅しようにもすでに押収されていたにもかかわらずだ。

 過去の新聞記事をあたっていくと、検察の発言に「?」というものがあった。

福島地検の片岡康夫・次席検事は「血管が密集する胎盤を無理にはがせば、大量出血することは予見できたはず。はがせないものを無理にはがした医師の判断ミス」と起訴理由を説明している。(読売新聞)

 おそらく癒着胎盤のことがよくわかっていないのではないか。それから、この裁判では公判の前に争点を整理する手続きが行われて、何について争うかがはっきりしているのだが、最初の争点として「子宮に胎盤が癒着していることを認識した時点で、大量出血する恐れがあるとみて胎盤をはがす処置を中止し、子宮摘出に移る義務があったか」というのがある。

 この女性は夫とともに、手術の前に子宮摘出の可能性を告げられ、その場合にどうするかを尋ねられている。夫婦は子宮温存を希望した。まだ29歳だし、女性にとって子宮を失うということは大変なことだ。温存を希望した場合、簡単には摘出できないだろう。

 報道ではもう一つ、女性の父親の言葉として「事故は予見できたはずだ。危険性が高い状態で、大きな病院に転送すべきだったのに、なぜ無理に(手術を)行ったのか」というものもあった。事故は予見できないし、開腹した状態で大量に出血しているのに転送などできるはずが無い。どういう状況で亡くなったのか、ちゃんと知らされていないのではないか。

 病院側(県立病院なので福島県)は、示談を進めようとしていたようだ。医師が所属する医局である福島県立医大産婦人科教授の佐藤章氏が、日経メディカルオンラインの取材に対し、こう答えている。

患者の死亡後、県の医療事故調査委員会が設置され、当大学出身者以外も含め、3人の医師による報告書が2005年3月にまとめられた。今回の逮捕・起訴の発端が、この報告書だ。県の意向が反映されたと推測されるが、「○○すればよかった」など、「ミスがあった」と受け取られかねない記載があった。私はこれを見たとき、訂正を求めたが、県からは「こう書かないと賠償金は出ない」との答えだった。裁判に発展するのを嫌ったのか、示談で済ませたいという意向がうかがえた。私は、争うなら争い、法廷の場で真実を明らかにすべきだと訴えたが、受け入れられなかった。さすがにこの時、「逮捕」という言葉は頭になかったが、強く主張していれば、今のような事態にならなかったかもしれないと悔やんでいる。

警察は、この報告書を見て動き出したわけだ。最近、医療事故では患者側から積極的に警察に働きかけるケースもあると聞いているが、私が聞いた範囲では患者側が特段働きかけたわけでもないようだ。警察による捜査のやり方には問題を感じている。例えば、当該患者の子宮組織を大学から持ち出し、改めて病理検査を行っているが、その組織も検査結果もわれわれにフィードバックされないままだ。捜査の過程で鑑定も行っているが、担当したのは実際に癒着胎盤の症例を多く取り扱った経験のある医師ではない。

(中略)また公判前整理手続き(編集部注:裁判の迅速化のために、初公判前に検察側と弁護側、裁判官が集まり、論点などを整理する手続き)も計6回実施したが、医学的な見地から議論を尽くしたとはいえない。そもそも癒着胎盤とは何か、その定義から議論する必要があったが、検察側はこうした話には乗ってこなかったと聞く。弁護側が、癒着胎盤の対応の難しさに関する海外の文献など様々な証拠を提出したが、そのほとんどが採用されなかった。

 長くなったが。

 私はこう考えている。小さな町の、産科医が1人しかいない病院で、1万人に1人という難しい、しかも経験の無い症例の出産になってしまった。用意した血液は通常の出産では妥当なもので(血液は薬じゃないので日持ちがしない。毎回大量にストックを用意することは不可能だ)大量に出血した時点で「この病院の体制では」助けることはおそらくできなかった。

 都市部の、体制が充実している病院なら、あるいは助かったかもしれない。でも、大野病院に限らず、産科医が1人という多くの地方病院では同じ状況になっただろう。そもそも癒着胎盤の手術を経験している産科医が非常に少ないし、血液がすぐに補充できない病院は日本中にある。

 これはあくまでも私見だ。その上で考えてみて欲しい。この医師個人は、何か罪を犯しているだろうか。故意に、あるいは悪意を持って女性を死に至らしめているだろうか。もちろん、ひとつの命が失われたことは大変なことだ。医師は女性を救えなかったことについては謝罪し、命日には必ず墓を訪れている。

 医師が医療行為で逮捕・起訴されたというこの事件によって、ただでさえ少ない産科医がますます減る傾向にある。

日本産科婦人科学会の発表によると、06年度(11月まで)に同会に入会した産婦人科医は298人で、03年度の375人から2割程度減少した。同会の荒木信一事務局長は「大野病院の事故が減少に拍車をかけた」と分析している。(毎日新聞)

 以前にも書いたが、これはもう医師個人の問題でも、病院単体の問題でも、自治体レベルの問題でもない。国が本気でシステムを変えていかないと変わらない。

 憲法改正とか教育改正とか、総理大臣になったからといっていきなり大風呂敷を広げる暇があったら、人々の毎日の暮らしのことを考えていただきたいものだ。医療のことだけでも山ほどやることがあるんだし。

※こちらはコメントをつけられないようにしています。医療従事者の方で、情報の補足や現場の状況(特に産科、小児科、救急)を教えていただける方がいたら、メールをお願いいたします。

のだめアニメ版

 夜、たまたまチャンネルを変えたら「のだめカンタービレ」のアニメ版をやっていた。

 つくづくドラマはよくできていたなぁと思った。原作をアニメ化したものよりもずっと原作のテイストが活かされていた。アニメの方はアニメアニメしていて普通のアニメになってしまっている。おっとこの短い文章にアニメという言葉が4回も。

 「冬のソナタ」をリアルタイムで見ていたとき(といっても地上波の方だけど)吹き替えを声優さんじゃなくて役者さんがやっているのは正解だと思った。

 出ている人は韓国人だから日本人と見た目が変わらない。だから日本人の普通の話し方が聞いていてしっくりくる。「天国の階段」でグォン・サンウの吹き替えをしていたのは声優さんで、なんだかハリウッドスターが出てくる映画の吹き替えみたいでものすごく違和感があった。普通の日本人はあんなしゃべり方はしない。

 アニメの声優さんは全般的に表現が過剰というかオーバーだ。不思議なもので、欧米の映画にはオーバーなぐらいじゃないと合わない。アニメでも、ヒーローものとかだったらやっぱりオーバーな方がいいんだと思う。
 のだめはオーバーでもいいと思うんだけど、オーバーの方向性がちょっと違うのかな。変な人ばっかりが出てくる話なのに、全員普通の人みたいなんだもん。

 ふと思ったが、宮崎駿さんはほとんど声優さんを使わない。似たような理由なんじゃないか。

 といっても、アニメファンの方や声優さんのファンはやっぱりああいうアニメな感じにしないと萌えないのかな。私は萎えちゃうんだけど。

キャベツおいしいね

 月曜日にはなまるでキャベツの特集をしていた。こないだも書いたが、このところキャベツをよく食べていたのでとても参考になった。自分が出ている番組だけど、自分が出ていない日は普通に視聴者として「へー」ってな感じで見ていて、参考になることはやってみたりする。

 今回いちばん参考になったのは、天悠の嶋さんがやっていた、キャベツを炒める前に塩を振って軽くもんで7~8分置き、野菜の水分を絞ってから炒めるというものだ。野菜炒めを水っぽくしないためには先に野菜の水分を抜いておくという、なるほどの技。

 そういえばこないだ、圧力鍋で水炊きを作る方法の中で「食べるもも肉は3分加圧」と書いたが、5分加圧した方が肉が柔らかかった。3分でも火は通るけれど、もうちょっと伸ばした方がいいみたい。

 枝元なほみさんが、フライパンにキャベツを敷いて上にえび団子とエリンギを載せて蓋をして蒸す料理と、ひき肉とジャガイモを炒めた上にキャベツをかぶせて蒸すカレーを紹介していた。
 はなまるアナの新夕くんもディレクターもたぶん気づいていなかったが、このキャベツの蒸し方の使い分けは面白かった。

 キャベツを下に敷いて蒸すときは、上に肉や魚を載せると、蒸されて出たうまみが下のキャベツにしみこんでおいしくなる。
 カレーのときにはキャベツを上にかぶせて蒸す。汁と一緒に煮込んでしまうとくたくたになってしまうので、あえて混ぜずにただ蒸して、蒸しあがったところで混ぜてキャベツの食感と甘みを活かすわけだ。

 今回はえび団子だが、つみれでもなんでも、うまみが出るものは上に載せて蒸せばいいし、煮込み料理なら一緒に煮込まずに上にかぶせればいい。
 私なら放送で言う。惜しいなー。でも、このところキャベツを蒸して料理をしていたから気づいたわけで、新夕くんやディレクターが気づかないのも仕方ないと思う。

 きょうもキャベツが100円だったので、ちぎったキャベツの上に鍋用の鶏肉だんごと、やはり特売だったマイタケを載せ、無水調理ができるフライパン(蓋に穴が無くて密閉できる)で蒸してみた。いつもならポン酢で食べるが、枝元さんが塩とバターで味付けをしていたので真似てみた。

 えび団子が肉団子になって、エリンギがマイタケになったけれど、理屈は同じだからおいしかった。簡単だし。
 キャベツは今とても安いので、ぜひ使ってみていただきたい。そして、フライパンいっぱいになるぐらいに入れないと、蒸しあがったときにかさが減っていてビックリするのでご注意。

どうでもいい話

 電車の中での女子2人の会話。たぶん20歳前後。

「もー、ホストとか買っちゃおっかなー」
「えー」
「だってその方が早いじゃーん」
「確かにねー」
「それかー、シュウを調教する」
「調教?」
「だってシュウ下手じゃん」
「あー」

 私が乗った車両は全ての席に人が座り、つり革も8割方ふさがっていた。結構混んでいたのだ。2人はつり革につかまりながら結構大きな声で話していた。私は本を読んでいたが声が大きいので聞こえてきた。

 およそ電車の中で話す内容じゃないが、聞きながら思ったのは「この娘はそんなに欲情しているのか」ということと「シュウが下手なのはこの2人の間では了解事項なのか」ということであった。
 たぶんシュウくんは、とりあえず一緒に歩いていて恥ずかしくないぐらいぐらいなんじゃないか。顔は。

 さて、関東では「はなまるマーケット」のあとに「冬のソナタ」を放送している。私にとって冬ソナといえばもはやパチンコという感じだが(パチンコといえば冬ソナ、だろうか。どっちでもいいけど)今見たらどんな感じなんだろうと思って録画してみた。

 見てビックリしたのだが、放送されているのはNHKで放送されたものであった。新たに吹き替えをしたのではなく、NHKが作った日本語版そのまんま。

 ユジンが自分のもとを去り、そのショックでサンヒョクが入院するくだりで声を出して笑ってしまった。女に振られて入院って、今見てもやっぱりおかしい。
 あと、ミニョンさんのときのペさんの、ちょっと寂しそうな目つきが誰かに似ていると思ったら、ハンカチ王子であった。顔が似てるんじゃなくて、かもし出す雰囲気が似ている。2人とも汗くささが無いし。

 ペさんを追いかけていたオバサマの集合と、ハンカチ王子を追いかけているオバサマの集合って、結構重なるんじゃないかな。なんだっけあの図。ベン図だっけか。

 どちらもどうでもいい話だな。

仕事で実験

 学研の科学教材番組の収録。

 先日の楽しい打ち合わせを踏まえて収録をしていったのだが、やってみるといろいろ大変だった。実験としては成功していてもカメラで撮れていなかったりとか。打ち合わせが一番楽しいというのはこういう意味だ。
 とはいえ、収録も楽しかった。なかなかうまくいかなかった実験がうまくいくと、単純に嬉しいので喜んでしまう。それがそのまま番組に出るのだから面白くないはずがない。

 なんというか、笑いが絶えない現場っていい。タレントさんを盛り上げるために気を遣って笑うというのではなくて(それはそれで現場を盛り上げるために大事なことだけど)ちゃんとやろうと全員が手を抜かずにやっていて、それでもたまにうまくいかなくて、でも真剣だから失敗が面白い、みたいな。ものすごく真面目にやってるのにうまくいかないのって面白いのだ。何度もゲラゲラ笑って、笑ったあとはどうやったら上手くいくかをちゃんと考えながら収録を進めていった。

 午前10時に始めて午後7時半までかかってなかなか大変だったのだが、ほんとうに楽しかった。下手をするとこの教材で実験をする子供たちのお父さんよりも年上になるんだけど、実験キットでおおいに楽しませてもらった。

 実験って、いくつになっても楽しいんだと思う。理由がわかっているマジックみたいなものだもんな。

台所で実験

 近所のスーパーでキャベツが1玉98円だったので買い、鶏肉も「水炊・唐揚用」と書かれた手羽元の部分とももの部分が、1パックだと398円なのに2パックで698円だったので買った。というわけで今晩は自動的に水炊き。

 キャベツと鶏肉を蒸し煮にして水炊き風、というのを時々やっていたのだが、このところ圧力鍋を面白がって使っているので、圧力鍋を使って水炊きができないものかと考えた。

 肉にしろ魚にしろ、ダシが出るのは骨の周辺だ。なので、まず圧力鍋に水を入れ、キッチンバサミでコンブを1ミリ幅に切って入れ(奥薗壽子さんのアイディア。早くダシが出て昆布もそのまま食べられる)コンブがふやけて広がってきたら骨付き肉を入れて10分加圧。自然放置しようかと思ったがお腹が空いていたので急冷して空けたら、思ったとおりいい感じに鶏のダシが出ていた。ちょっとだけマグカップに入れ、ちょっと塩を振って飲んだらおいしかった。
 そのスープにもも肉を入れ、蓋をして3分加圧し、蒸気が落ち着くまで放置。もも肉は食べる肉だから火が通ればいい。

 キャベツは圧力鍋で加圧するとあっという間に火が通って色が悪くなるので、圧力鍋の中身を別の小鍋に移し、ざく切りにしたキャベツをかぶせるようにして入れて、蓋をして弱火で加熱。鍋の隙間から蒸気が吹いてきたらそのまま1分ほど加熱して火を止める。

 これで、よくダシが出て、もも肉はやわらかく、キャベツは青々として歯ごたえが残っている、という状態になった。土鍋で煮込むと全部に火が通りすぎるので、こうして分けて加熱したものを大きめの丼に移し、そこから取ってポン酢と柚子こしょうでいただいた。

 自分の家でできる水炊き風のものとしてはかなりいい感じになった。ダシをとる肉と食べる肉を分けて加熱したのも良かったし、キャベツに火を通しすぎないようにしたのも良かった。

 鍋から取り分けて食べたので、おいしいスープが煮詰まらずに残っている。肉もまだ残っているので、明日はあのおいしいスープから水炊きを作ってみよう。

 これ、一応は仕事のためにやっているんだけど、きょうは8割方自分の興味でやってみた。たぶん学研の打ち合わせ以降実験モードになっているんだと思う。
 台所って実は毎日実験だ。うまくいくのにもおいしくなるのにも全部理由がある。私が面白がっていろいろやれるのは、作ったものを食べるのが自分ひとりだから。失敗しても自分のせいだし。

 家族のための食事は失敗できない。だから主婦の皆さんは大変だ。でも、もし家事がつまらなくなったら、実験してみたらどうだろうか。あれにこれを入れたらどうかしら? みたいな調子で。
 もし失敗したら、とりあえずカレー粉を入れたらなんとかなる。ベースが和でも洋でも、カレー粉を入れるととりあえず別の国の味になるのがすごい。なので私は、カレーはめったに作らないがカレー粉は常備している。

 これってアドバイスになっているんだろうか。なってないよな。

領収書の整理

 いつも面倒でギリギリまでやらない領収書の整理を、思い立ってやり始めた。

 普段から整理しておけばいいのだが、お金の計算とか本当に苦手で面倒。領収書は専用のかごがあって、とりあえずそこに放り込んでおく。確定申告の時期になるとそれをひっくり返し、分類しながら整理して、経費になるものとならないものを分けていく。

 やり始めると数時間でやれるのだが、いつもなかなかやる気にならない。しかも、ついそこに今年の分の領収書を放り込んでしまったりして、去年と今年が混ざってあとでとても面倒なことになったり。

 なのでやっちゃうことにした。やってみると、ああこんなところに行ったなぁとかここでたくさん本買ったっけなぁとか、自分の1年を振り返ることができるので面白かったりする。面白いといっても自分の気持ちの1割ぐらいで、残りの9割はひたすらめんどくさいのだが。

 分類して、小さな袋に分けて入れて、ひとまず疲れたので終了。本当は足さなきゃいけないんだけど。
 やりおわって、お腹が空いたので買い物に出ると、郵便受けに税務署から申告書が届いていた。なんていいタイミング。でも計算はまた今度にしよう。

 そういや去年分から定率減税の割合が20%から10%になるんだっけ。今年分からはゼロになる。実質増税だ。不況の対策で減税したので景気回復にともない元に戻す、ということなのだけれど、景気が回復して収入が増えた人ってどのくらいいるんだろう。少なくとも私のギャラに関しては何の変化も無いが。

大人の実験

 学研の仕事の打ち合わせで学研へ。

 科学教材の使い方を楽しくわかりやすく、科学インストラクターの方と実演するという内容なのだが、きょうの打ち合わせは収録で行う実験を実際にやってみるというもので、言ってみれば科学実験オンパレードというものであった。
 収録のときにはいろいろとやらなければならないことがあるので遊んではいられないのだが、打ち合わせだから実験を見せてもらってわーわー喜びながら私もやってみたりと大変楽しい打ち合わせであった。

 もちろんただ遊んでいるだけじゃなくて、その実験をどう見せたらよりわかりやすいか、面白いか、手際よくやれるかといったことはちゃんと考えていく。陥りがちなのは、実験の面白さに気を取られて、肝心の「どうしてそうなるのか」とか「その実験から何がわかるのか」がぼやけてしまったりすることなので、そうならないように軌道修正していったり。

 私は学研の科学をとっていて大変楽しみにしていたので(その割に思いきり文系の人間になってしまったが)子供の頃から学研にはお世話になっていたことになるのだが、こうして学研の人と仕事をすると、皆さん実験が大好きで、それは子供たちが喜んでくれるからというのがもちろんあるのだけれど、それ以前に皆さん根っから実験が好き、というのがわかって面白かった。

 こないだの打ち合わせで、台本には無かったちょっとした実験を急遽披露してもらって盛り上がり、隣の部屋の人に「もうちょっと静かに」と注意されたりしたのだが、今回は騒いでも大丈夫な場所だったので、いい大人が何人も揃ってわいわいと実験をした。実験の監修をしてくださる立場の偉い方がいらして、最初はインストラクターの女性と私がやる実験を座って見ていたのだが、段々と「これであれもできますよ」とか「あぁあれを見せよう」と言い出して何かを取りにいったりして打ち合わせが中断した。でも何が起こるのか見てみたかったのでまったく問題無かった。というより面白かった。

 そして学研という会社も、とても堅実で好感が持てる会社であった。やっぱり子供相手の教材を作っているからだろうか、うわついたところが全然感じられない。以前仕事をしたカゴメもそんな感じ。あれは名古屋の堅実さからくるものだと思うのだけれど、私は名古屋のそういうところが嫌いじゃない。トヨタの無借金経営だなんてすばらしいことだ。

 これはもともとなのかそれとも大人になってからなのか、自分でもわからないのだけれど、私はなんだか地に足がついているものが好きだ。人でも会社でもなんでも。
 そういう自分は地に足どころか、いまだに海のものとも山のものともわからずふらふらしている。だからかもしれないな。

新体操日本代表チームのこと

 ブロッコリーのオンエアは無事に終わったが、きょうは何より秋吉久美子さんが面白かった。岡江さんもかなり面白いが、秋吉さんの面白さって「私ってこんななので今さらなにか言われたって知らないわ」と本気で思っている面白さであった。

 生放送なので、テレビでこんなこと言っていいの? とこちらが思ってしまうようなことをどんどん喋っていたが、秋吉さんにとってはどうでもいいし、喋ったからといって何も変わらないのだろう。もうスタジオでゲラゲラ笑いっぱなし。

 夜は「報道ステーション」で、新体操の日本代表チームの特集を見た。

 新体操日本代表チームのことは以前ここにも書いた。地味な存在だけれどみんな真剣に北京五輪を目指していて、でも今の自分の担当番組ではそれが伝えられない。どうにかならないかな、と考えていてふと頭に浮かんだのが、テレビ朝日の宮嶋アナであった。

 宮嶋さんはアトランタ五輪で新体操の実況をなさっていたし、シンクロや体操やフィギュアスケートといった芸術系の競技の取材歴が抱負な方だ。ひょっとしたら興味を持ってくれるかも、それに取材してもらうなら宮嶋さんがいいなぁ、と思って、野村さんにお願いして取材依頼のメールを転送してもらった。

 宮嶋さんとは、野村さんの披露宴でちょっとだけ顔を合わせたが、ちゃんとご挨拶をしたことは無かった。ろくに話したことも無いフリーアナウンサーからの取材依頼のメールを、宮嶋さんはちゃんと読んで下さって、報道ステーションに企画を出して取材をして下さった。それがきょうの特集になったわけだ。

 改めて、宮嶋さんにお願いして良かったと思った。日本の新体操が置かれている状況や、現在のルールで重要視されていること、世界の流れなどを、強化本部長の山﨑浩子さんにスポットを当てる形でわかりやすく伝えていた。
 番組ではロシアのリボンのすごい技が紹介されていたが、実は日本の演技にも面白いものがある。それを考えるのが五明コーチで、五明先生の作品は世界で高く評価されている。

 今年の世界選手権で10位以内に入れば、北京五輪の出場権が得られる。その可能性は十分にあると思っている。月並みな言い方だけど、みんな頑張れー。

ブロッコリー三昧

070114

 はなまるのオンエアのために、家で試作したブロッコリー料理。上がグラタンで下がソテー。ソテーは本当はアンチョビが味の決め手なのだが、買い忘れたのでイカの塩辛でやってみたら大丈夫だった。どちらもおいしくできたが、晩御飯は全部ブロッコリー。そしてさすがに食べきれなかった。というわけで食べ残しの画像で申し訳ありません。

 茹でてマヨネーズをつけて食べるのが一番カンタンで、それで十分おいしい。こういうものの料理を提案するのが実は難しい。手間をかけなくてもおいしいけれど、手間をかけてもおいしいよ、とテレビで言うのは簡単だけれど、手間をかけてもらえるような内容にしなくてはならない。今回は、毎日取材するたびに家でウーンと考えて、翌日ディレクターにそれを伝えて一緒にウーンと考えて、の繰り返しであったが、まぁなんとかなりそう。

 はなまるマーケットという番組を担当したことで一番力がついたのは、もちろん喋ることとかタレントさんと生放送で絡むとかいろいろあるけれど、一番役に立っているのは料理ではないだろうか。以前から料理はやってはいたけれど、この番組のおかげで、取材で出会ったプロの方から料理学校に通うのと変わらないぐらいにいろんなことを教えていただいた。

 このごろは、青森に帰ったときに私が台所に立っても、母は心配するどころか何をするのかじーっと見るようになった。まるでアシスタントのように横からあれこれ出してくれる。「私より料理上手だよねぇ」とか言いながら。
 正月、青森に帰って気づいたのは、母の料理のレパートリーが増えていることであった。仕事を辞めて家事に専念するようになったから、今までよりもちゃんと料理をやるようになり、息子が出ているというので料理番組も見るようになり、漬物を漬けたりダシをとったり、私の目から見ても全部ちゃんとしていた。そしてわかった。母は自分の料理に自信が無い様子だが、普通に上手だ。私の好みの味というのとは別にして。

 もう一つ気づいたこと。もはや「結婚は?」とか言われなくなった。私は私で、元気で生きていればそれでいいらしい。時々帰って顔を見せるだけでいいらしい。なんとラクでありがたいことか。
 「フリーなんて不安定だから会社に勤めたらいいんじゃないの?」「もういいかげん結婚したら?」「こないだテレビで着てた服どうにかならないの?」みたいなことをあれこれと言う親だったら、面倒だから帰らなかっただろう。私は私の人生を生きていて、そのことについて母は何も言わない。毎月仕送りをしているが、面と向かって心配することはなく、何かの拍子にふと「仕送りをして生活ができるのか」とついでのように尋ねたりする。一緒にスーパーで買い物をして私が払うと、その場では当たり前にしているけれどあとで「なんかお金を遣わせたね」と言う。

 「東京タワー」のオカンは、九州の女だから情に厚くて気丈だ。九州って、九州男児のイメージというか男が強いようなイメージがあるけれど、九州の男がわがままなのは奥さんが気丈だからだと思う。奥さんの懐が深いから男が威張っていられる。
 母は、東北の人だからもっとさらっとしている。あれこれ言わず黙って見ている。だから小説を書いてもたぶんあんまり面白くないだろう。

 そんでもって、是が非でも歯科医にならなきゃ、みたいな家に生まれなくて良かったのかも。経済的には歯科医の息子の方がずっとずっと恵まれていただろうし、周りのみんなが大学受験に向かっているときに「自分の人生をどうしよう」みたいなことを考えなくても良かっただろうけれど、人生において「あなたはこの道に進まなければ」というようなプレッシャーは全く無かった。それは単純に貧しかったからだけど、でもプレッシャーは無かった。
 やってみたいことをあきらめる選択肢だけはたくさんあったが、私はその中からやれそうなことだけを選んでやってみて今に至る。それはひらめきのようなもので、私が選んだ人生は母の想像の範囲を超えてしまったけれど、それでもやめろとは言われなかった。

 東京タワーとか私のブログを読んで、マザコンだとか思う人もいるかもしれないけれど、父親がいない家の母親ってのはたいしたもので、母子家庭の子がとりあえず普通に育っていると大人になって自分で思ったなら、母親に感謝をせずにはいられないだろう。大人になればなるほど、どういう状況で自分を育てたのかがわかってくるから。
 今の時代だったら、母親が育児に疲れて再婚し、その再婚相手に虐待されていたかもしれない。ただ一人頼るしかない母親がその虐待を見てみぬふりをするのを、子供として受け止めなければならなかったかもしれない。それって、人生に絶望するってことだ。小学生ぐらいで。

 話がずれたが、もしあなたのお母さんがちゃんと料理を作っていたら、そのことについては感謝をしたらいい。料理をしない母親もいるし、それはそれぞれの人生だと思うが、自分の母親がちゃんと料理をしているというのはとても幸せなことだ。そこから教わり得るものがたくさんあるのだから。

何の花?

070112

 この花はなんの花でしょう?

 正解はブロッコリーの花。ブロッコリーはあの小さいつぶつぶの一つ一つが花のつぼみで、収穫せずにほうっておくと小さな黄色い花がたくさん咲く。といっても私も今回初めて見た。
 花が開く手前で収穫して出荷しなければならないので見極めが大事。そして収穫はすべて手作業だ。

 永田農法について調べたときに、野菜の生産や流通についても勉強したのだけれど、結局思ったのは、いま日本で農業をやってくれているだけでありがたいということだ。
 今年は天候に恵まれて、冬野菜は全般的に豊作だ。豊作というのはとれないよりはいいが、キャベツなんかは出荷するだけ赤字だというので捨てていた。農業は自分の思い通りにいかないしラクじゃない。だから面白いとも言えるのだけれど。

 ただ作るだけじゃなく、おいしいとか安全とかいうところまで努力している方もいて、それはすばらしい。でも、作ってるだけでありがたいと思う。
 農業人口はこれから減る一方だ。あらたに農業をやろうという人も増えてはいるけれど、高齢化の方がずっと進んでいる。

 有機無農薬とかオーガニックとか、真面目にやるととても手間がかかる。そういうものでなければ売れない、という空気を作ってしまうと、高齢の生産者は無理にやるかやめてしまうか、もしくはちゃんと理解しないで仕方なくやるという状況にならざるを得ない。それでは本末転倒だ。  
 永田農法をやっている人は、本当においしい野菜を作りたいと思ってやっている。有機でも無農薬でもないことがまだあまり理解されていないけれど、作りたくてやっている。それが本当だと思う。

 だから、私は「こだわった野菜でなければ買いません」とは言わない。私がこだわっているのは国産の野菜を買うことだけだ。

 普通にスーパーや八百屋で野菜が買えることがどんなにありがたいことか。もちろん手間をかけた野菜はおいしいけれど、普通に売られている野菜だって、盛りの時期に食べれば十分おいしいし、おいしく食べる方法だってある。

 とまぁ、産地に行くと改めて思ったり。そういうわけで今回は普通のブロッコリーをおいしくいただこう。

窓窓窓 桜田淳子

 このブログは時々いろんな機能が付加されて、そのほとんどは私には必要の無い機能なのでまったく活用していないのだけれど、ふと「アクセス解析」というところを見てみた。

 毎日のアクセス数だけじゃなくて、どんな言葉を検索してこのブログにたどりついたかということがわかるのだが、検索ワードの中に「窓窓窓 桜田淳子」というのがあった。こんなレアな言葉を検索して私のブログにたどりついた人が3人もいた。

 なんでだ? と思ったので改めて「窓窓窓 桜田淳子」でググってみた。どうやら早風美里さんという方が桜田淳子さんの「窓」をカバーしていて、それをNHKの番組で歌ったらしい。「窓窓窓…」というサビに衝撃を受けた人が検索したら私の日記がひっかかったわけだ。ちなみにググってひっかかるのは去年の12月24日の日記で,、検索結果の2番目。最初に挙がるのはアマゾンのサイトだ。早風さんのマキシシングル「窓」の販売サイト。

 せっかく検索していただいたが、早風さんとはなんの関係も無い内容で申し訳無かったな。ただ検索結果の中で、実際にこの曲をカラオケで歌ったという内容なのは私だけであった。これは自慢していいのか恥ずかしいのか。

スケートバブル

 改めて振り返ると、年末年始はスケート番組バブルであった。年末のゴールデンタイムに全日本選手権の放送があるだけでも大変なことなのだが、大晦日の紅白の裏、そして4日と8日にスケートの放送があった。こんなことはずっと続くわけがないのでスケートバブル。まぁスケートが好きなのでありがたいけど。

 4日の「ニューイヤーフィギュア」はとても面白かった。エキジビションを採点する大会が日本人選手だけで成立する時代がやってくるなんて夢のようだ。そして、犬を抱えて滑ったあと、エキジビションなのにトリプルアクセルを、それも演技の後半に跳んでしまう真央ちゃんのような選手がいることも夢のよう。

 真央ちゃんにライバルはいない。ライバルとされている選手はいて、これからの試合で戦い、勝つことも負けることもあるだろう。私がライバルはいないと書いたのは、真央ちゃんのやりたいことは真央ちゃんの中にしかなく、真央ちゃんの目標も真央ちゃんの中にしかないからだ。他の誰がどうだろうと、心の底から関係がない。

 荒川静香さんは良くも悪くも欲の無い人であった。最後の最後に、他の誰がどうだろうと心の底から関係がないと思って演技をしたら、オリンピックで金メダルをとった。長い選手生活と、様々な経験を経てやっとそこにたどりついたのだが、真央ちゃんとの違いは「勝つ気が無い」というところだ。荒川さんは、世界選手権で優勝したときも五輪で優勝したときも、勝つつもりで試合に出てはいなかった。

 真央ちゃんは、周りから期待されていることもあるだろうけれど、普通に「世界選手権で優勝して」とか「200点出して」と口にする。世界選手権で、ましてや日本人選手が優勝するなんてとんでもないことなのだけれど、真央ちゃんにとっては自分が頑張ればできるという範囲のことらしい。そしてそのための目標は自分の中にしかない。

 今シーズン苦しんだステップからのトリプルアクセルは、全日本で完全に克服してしまった。真央ちゃんは昨シーズンまで、大きなカーブを描くようなラインでトリプルアクセルに入っていた。今シーズンも同じような入り方で、ジャンプの直前にステップを入れていたのだが、全日本のときにはカーブではなく、スピードが落ちないようにストレートに滑りながらステップを入れて跳んでいた。アクセルが跳べるように修正していたのだ。

 エキジビションの大会で、愛犬エアロを抱えて滑り、フリップとルッツを跳んだあとに余裕でトリプルアクセルを跳んだというのは、真央ちゃんにとってこれが確実に跳べるジャンプになったということ。こんなことができる選手はいない。技術の面でも、存在感の面でも。

 日本の選手が、女子も男子もどんどん上手になって、見ているだけでとても嬉しいのだが、真央ちゃんの演技を見るととりわけ幸せな気持ちになる。奇跡のような選手を見ているんだと思うから。

 だから、現時点での順位なんて本当にどうでもいい。優勝してくれたら嬉しいし、優勝しなかったら来年が楽しみ。

王子のバレエ

 銀座の博品館劇場で行われている、バレエダンサーの西島千博さんの公演「くるみ割り人形」を観に行った。

 午後2時からの公演だったので、終わってごはんという感じでもないねー、ということで、早めに待ち合わせてお昼を食べることにした。博品館のビルの中にある水炊きの店がおいしかった、と以前岡江さんが言っていたので、橋本さんにメールで「水炊きはどうですか」と尋ねたら、橋本さんも同じことを考えていた。以前取材で訪れたことがあるのだそうだ。

 12時半に店に集合だったのだが、私はちょっと先に新橋に行き、駅近くのローソンで世界フィギュアの店頭先行発売にチャレンジし玉砕。ちょっと悲しい気持ちで店に向かった。

 個室に入ったら初対面の女性がいらした。元宝塚のあさなぎりん(宝塚時代は朝凪鈴)さんであった。橋本さんのブログでお名前は拝見していたが、実際にお会いしたらとても気さくな方であった。
 3人でなんだかんだと話をしながら水炊きを食べていたら、あっという間に開場時間を過ぎてしまった。最後の雑炊のところで橋本さんの仲良しのメイクさんが合流して、ドタバタと劇場へ。

 王子こと西島さんが演出と振付をして本人も踊るという舞台であったが、およそ普通のバレエでは出てこない振付があちこちあって笑ってしまった。最後にはみんなで歌ってまるでミュージカルなのだが、王子が一番楽しそうに歌っていてこれまた大笑い。クラシックでもコンテンポラリーでもない、王子のバレエだなぁ。

 といっても王子の踊りはさすがだった。初めて生で観たのだが、やっぱりすごい。技術があって、でもそれだけで踊っているんじゃなくて、踊りに華があるというか。それは王子がもともと持っている華やかさだ。
 クララ役の西田佑子さんも踊りが上手で(上手なのは当たり前だが、踊りの間というか緩急があって素敵だった)2人のパ・ドゥ・ドゥは拍手をしながら観た。

 ちょっとだけでもバレエをやったおかげで、あのことをやりこなすのがどれだけ大変かがわかるようになった。言い換えれば、観て楽しめるものが一つ増えた。
 ダンサーって努力の積み重ねなんだな。私は今さらダンサーにはなれないわけだが、努力しなくちゃなという気になった。ありがとう王子。

ニュースキャスター大集合

 4日に帰る予定だったのだが、この日の夕方から、青森テレビの夕方ニュースのキャスターを、横田くんと安藤さんが担当することになった。4年目と2年目だからずいぶん若いキャスターだ。

 2人とも学生の頃から知っていて、時々仕事の相談に乗ったりするのだが、こんなに早くこの2人がキャスターになるとは思わなかった。せっかくなので2人のニュースを見てから帰ることにした。

 新聞のテレビ欄を見たら、まずNHKのローカル枠が始まり、次いで青森放送と青森テレビが同じ時間に始まることになっていた。NHKの夕方ニュースのキャスターは高市くんなのでまず先に見た。やってるやってるー、という感じ。
 時間になったので青森テレビにチャンネルを変えた。2人ともちょっと表情は固いが、もっと緊張が見えるかと思ったらそうでもなかった。よしよし、と思いながら親のような気持ちで見た。
 CMに入ったので今度は青森放送に変えた。実は、今メインキャスターをやっている秋山さんは私の同期のアナウンサーで、サブキャスターの菅原くんは私が学生を集めて開いた勉強会のメンバーであった。

 つまりこの1月から、青森放送と青森テレビとNHK青森で夕方ニュースのキャスターをやっているのはみんな私の知り合い、ということになった。チャンネルを変えるたびに知っている人がニュースを読んでいるのでとても面白かった。

 放送後、横田くんや安藤さんとごはんを食べようということになっていたのだが、せっかくだからと思って高市くんや菅原くんに声をかけ、菅原くんには秋山さんにも声をかけてもらうよう頼んだ。高市くんや秋山さんは、自分が行ってもいいのかなぁとちょっと遠慮していたのだが、会いたいからとりあえずいらっしゃいということで集まってもらった。

 というわけで、青森のニュースキャスター5人が集結した。担当する番組同士は視聴率を競い合う関係だが、やっている人達はそれぞれにやれることを頑張るしかない。個人的にいがみあっても何がどうなるわけでもないと思ったのでみんなに声をかけた。自分で言うのもなんだが、こんな機会は私なんかが作らなければまずあり得ない。

 局の垣根を越えて、それぞれがアドバイスをしたりどうでもいい話をしたり、とても楽しい会だった。地元に帰ってるんだから仲間がたくさんいても不思議じゃないと思われるかもしれないが、この5人はみな青森の出身ではない。それぞれたまたま青森で仕事をすることになって、たまたま私と知り合いなのだが、なんでまたこんなに青森にいるのか、そしてなんでまたみんなニュースキャスターなのか、面白いとしか言いようがない。

 青森にお住まいの皆さんはそれぞれにいつも見ているニュースがあると思うが、どの人も頑張っているので応援してやっていただきたい。

「漢字の友」

 毎日ヒマなので近所の温泉に行っていたのだが、近所の温泉にも飽きてしまったので別の温泉に行った。全国的な傾向だが、青森市でもあっちこっちに温泉があって、基本的には銭湯の価格で入れるのでありがたい。

 その温泉施設には、ゲームセンターやパチンコ屋や映画館が併設されていて、私のように行くところの無い人でごった返していた。あの調子だとこっそり受付を抜けてタダで入れたかもしれない。ちゃんと払ったけど。

 今発売中の「漢字の友」というパズル雑誌からエッセイの依頼があり、「川の学校」について書いた。母が読みたいというので、温泉に入ったあと書店に行って買い、ついでに寿司屋に寄って寿司を買って帰った。

 私はパズルが苦手だ。というか続かない。入院していたとき、毎日ヒマなので買ってみたが、途中で面倒になるのですぐやめてしまった。母は私と違い、クロスワードパズルやジグソーパズルがわりと好きだ。トイレにもなんだかジグソーパズルが額に入れて飾ってある。それで、エッセイ以外にも楽しめるかなと思った。

 寿司は自分で食べようと思って買ってきたのだが、毎日食べて飲んでばかりなので、結局あまり食べられなかった。母のダンナさんもおなかの調子が悪いというので、仕方なく母が寿司をせっせと食べ、私は9時に寝てしまった。

 酒も飲まずに9時に寝たので、当たり前だが12時ごろに目が覚めてしまった。居間に明かりがついているので、母が起きているのかと思ってのぞいたら、ダンナさんが鉛筆片手に漢字パズルをやっていた。「眠れないならビール飲んだら」と言われたので、それもそうだなと思ってビールを片手にどれどれと覗いてみたが、これがまた結構頭を使う。しばらく一緒にやっているうち2人で本気になってしまい、全部が解けたのは2時ごろであった。

 こんなことでもなければ漢字パズルなどやらなかったであろう。とてもよい時間つぶしになった。やることが無い正月には最適だ。というわけで「漢字の友」は世界文化社から絶賛発売中。

取れなかった

 1月2日の正午前、私は青森市内のマンガ喫茶にいた。マンガを読みにいったわけではない。12時から始まる、世界フィギュアスケート選手権の先行予約をするためであった。

 去年から、イープラスやぴあのプレオーダーを申し込んでいたのだが全然取れない。スケートファンが増えたのはとても喜ばしいことだが、チケットが取れなくなったのは残念。

 みずえさんと携帯メールで連絡を取りながら奮闘したのだが、12時になったとたんに画面が動かなくなり、やっと画面が変わったと思ったら予定枚数は終了していた。まさに撃沈であった。
 もし多めに取れたら、これで儲ける気はさらさら無いので定価でどなたかにお譲りしようかぐらいの気持ちだったのだが、もう頼むからどなたか譲ってくださいという状態だ。なんでこんなに取れないんだろう。

 まぁ私と同じくらい、生で見たいという気持ちの人が多いということだよな。取れないんじゃ仕方ない。一般発売で取れたらいいなぁ。

 夜は高校の先輩と飲んだ。小中高と先輩で、ひょんなことから縁が復活し、去年の正月も飲んだ。今年は初めて会う先輩が一緒だったのだが、向こうは高校時代の私のことを覚えていて、それが学校をさぼったときのことだったので笑ってしまった。
 2軒目はいつもの通り、これまた先輩がやっているバーに行ったが、すっかり青森高校同窓会のようになっていて、翌日会うはずだった別の先輩にも結局会ってしまった。

 集まっているのは2年上の人たちなのだが、私は昔からこの2年上の先輩にとてもかわいがってもらった。先輩はいくつになっても先輩で、飲むと多めに出してくれたりするのでありがたい。

あけましておめでとうございます

 元日は昼ごろ起きて、雑煮を食べてだらだらと過ごした。寝正月、という言葉を久々に思い出したがまさにそんな感じ。

 煮しめなどの正月料理は作ってあったが、今年は母がおせち料理を高島屋のカタログで買ってあった。3段のお重が冷凍便で送られてきて、冷蔵庫で丸一日かけて解凍して食べる。
 母が注文したのは「岸朝子おすすめの京風おせち」だった。どれもまずくはなかったのだが、特においしいというわけでもなかった。まぁおせちってそんなもんなんだけど。

 昔は砂糖が貴重品だったせいもあるんだろうけど、あらためておせちを眺めると、甘い味付けのものが多い。私は甘いものがそんなに好きなわけではないので、母には申し訳無いがあんまり食べられなかった。そして、2万円出しておせちを買うぐらいなら、うまい寿司でも食べたほうがいいという結論に達した。今は正月からお店も開いているし。

 というか、寝てばかりいるから全然おなかが空かない。母はなにかと出してきて食べろ食べろというのだが、本当におなかが空かないので食べられない。肝臓が疲れているのかお酒を飲む気もしない。近所の温泉に行って岩盤浴をやって、帰ってきてビールを飲むぐらい。

 一昨年の正月は台湾にいた。その前の年は京都で、その前はどうしていたか忘れた。なんにもしないし退屈だけど、実家の正月もそう悪いもんじゃないかな。

大晦日

 去年の年越しは高市くんと一緒だったのだが、今年も高市くんが「大晦日だけど飲めますか?」というメールをくれたので会うことにした。

 高市くんが東京にいたころは、友達というほどの仲でもなかったのだけれど、青森に転勤してからかえって会う機会が増えた気がする。お互い趣味もやってきた仕事も全然違うのだけれど、仕事に対する考え方や姿勢が近くて、最近は飲んでいて面白い。そのうち、去年も一緒だった高市くんの友達もやってきて、そこからはだらだらと飲んだ。

 12時前に、お店の人が「まもなく12時です」と店内放送を始めた。てっきりそのままカウントダウンでもするかと思ったら、しゃべっているうちに12時になったらしく「はい12時になりました、あけましておめでとうございます」と言ったので、とてもグダグダな年越しになった。去年は12時前に店を追い出され、次はどこに行こうかとうろうろしているうちに、気付けば新年を迎えていた。去年もグダグダだったんじゃん。

 居酒屋を出たあとはクラブを2軒まわり、高校の後輩にも会ったりして楽しく飲んで帰ってきた。しかしまぁ、この歳になって青森でクラブに行くなんて考えもしなかった。高市くんが青森に転勤してくれなかったら絶対に無かったな。

 というわけで、今年も皆さんお世話になりました。来年もどうぞよろしくお願いします。

帰省した

 今年の年末年始も青森に帰ることにした。思えば去年は、大晦日に母から電話がかかってきて、たまたま飛行機が取れたから帰ることにしたのだった。今年は12月に入ったと思ったら電話がかかってきた。楽しみにしているんだと思ったから、全日本選手権が終わったら帰ることにしたのだ。

 羽田空港に行ったら「青森空港大雪のため三沢空港に向かうか引き返すことがあります」という条件付きの運行だった。母は空港に迎えに来ると言っていたので、メールでその旨を伝え「迎えに来なくていいよ」と付け足しておいた。

 青森空港の上空は雪が止み、飛行機は無事着陸した。一応青森に着いた旨を連絡しようと思い電話をしたが母が出ない。家にかけても出ないので、とりあえずタクシーに乗って家に向かったのだが、途中で携帯が鳴った。

 母の話によると、すでに家を出ていたのだが、青森には着かないと思い、仕方が無いので久しぶりにパチンコをしたところうっかり出てしまって帰れないというではないか。
 というわけで、青森空港からパチンコ屋に直行した私は、やりたくもないのに何故か「冬のソナタ」をやる羽目になった。なんでこうなるんだか。

 家に帰ると年越しの料理は作ってあった。そういえば帰る前、みかちゃんに「青森のお正月って茶碗蒸しが欠かせないんでしょう?」と尋ねられ、そんな記憶が無かったので母に尋ねたところ「普通は作るけど、私は茶碗蒸しがあまり好きじゃないので作らない」という返事であった。
 母が茶碗蒸し嫌いだというのを初めて知った。そういや家で茶碗蒸しが出たことってあまり無かったかも。それにしても茶碗蒸しのどこが嫌いなんだろう。

 ねぶたという日本酒の大吟醸が買ってあったのでだらだらと飲んで帰省初日は終わった。ほんと正月ってだらだらするしかないもんなぁ。

全日本選手権

 今年の全日本は男子がとても見応えがあってよかった。強い選手が出ることで男子選手全体のレベルが確実に上がっているのが演技からわかった。そんな中で最後に完璧な演技をした高橋大輔選手は素晴らしかった。世界選手権でメダルが取れる演技だ。
 インタビューで織田選手が泣いていたけれど、この1年努力して追いついたつもりが、目の前で高橋選手がはっきりとひとつ階段を上がったので、悔しかったんだと思う。でもいいのだ。これで織田選手はまた強くなるだろうし。

 真央ちゃんのトリプルアクセルは、踏み切った瞬間にちゃんと着氷するとわかったぐらいに迷いが無かった。今シーズンこのジャンプに苦しんで、心の底から跳びたかったんだな、と演技後の涙を見ながら思った。真央ちゃんもひとつ階段を上がったのだ。
 美姫ちゃんの肩が外れたのには驚いたが、途中で演技を止めなくてよかった。このところの2試合、なんだかついていないけれど、それが全部経験になっているからいい。世界選手権には出られるんだし。
 中野選手は、今年も世界選手権に出たいという気持ちが強くあって、その分動きが小さくなっているような感じがあったけれど、1年1年滑りの質や技術のレベルが上がっているし、表現力もついている。世界選手権ではのびのびと滑ればいい。
 村主選手は世界選手権には出られないことになったが、ミスをしてしまったので仕方がない。今のルールで村主さんが勝つためには、とにかくミスをしないことが大事なのだが、それは本人がいちばんわかっていることだろう。

 友人のイズミさんは、去年のグランプリファイナルで真央ちゃんを見て(もちろんテレビ放送で)いっぺんに真央ちゃんのファンになり、全日本選手権はチケットを取って会場に観に来たという人だが、今年は名古屋で開かれた全日本選手権のチケットを入手し(男子フリーの日)名古屋まで観に行っていた。私も名古屋まで行こうと思っていたし、そのつもりでチケットを取ろうとしたが取れなかった。イズミさんが取れたのはビギナーズラックというやつか。

 イズミさんの席はちょうど実況席の後方だったそうだ。生で観たイズミさん情報で一番面白かったのは、リンクに向かって投げられた花のいくつかが実況アナウンサーにあたっていたという話であった。隣には荒川静香さんはじめ解説の人もいたのだが、あたっていたのは実況アナだけで、しまいには観客席の一番前に警備員が立ち「ここからは投げないでください」ということになったそうだ。

 それってあたったんじゃなくてあてられたんじゃないかと思ってしまった。もともとリンクに届くように花を投げるのは結構難しい。届かなくても、リンクサイドに落ちた花は選手まで届けてもらえるが、スケートが好きな人であれば、どうせ届かないなら目の前にいるあのアナウンサーに投げつけてやろうと思うかもしれない。もちろん人に花を投げたらいけないが、そのアナウンサーが「中野友加里はSAYURIになります」というどうでもいいことを「中野さゆりはゆかりになります」と言い間違えかけた時には、私も何か投げたいような気持ちになった。これから大事な演技が始まるというときに何をやっているのか。しかも選手の名前を間違えたのはこれが初めてではない。
 ご本人はそのことに命を賭けているのだろう。それが仕事だと思っているからああなるのだ。私なら言い間違えるぐらいなら言わない。言わなくても誰も困らない内容だし、むしろジャマだし。そんなものって仕事じゃなくてマスターベーションだ。

 一番大事なのは滑っている選手、次が音楽、情報として価値があるのは解説。アナウンサーの実況は順序が一番後だと思っている。これはなにもフィギュアスケートに限らないし、スポーツ実況に限ったことでもないけれど。自分だけが気持ちいいという仕事をする同業者を見ると、やりきれない気持ちになる。なんでそうなるのかなぁ。

 私のことが嫌いな視聴者もいるだろうし、同業者だからお互い様なのだけれど、私が言っているのは好き嫌いの問題じゃなくて、仕事に向かう姿勢とか努力の方向の問題。あの方はスケートの実況がもう3年目なのにまったく変わる気配が無いし、競技に対する理解や知識の面での進歩も見られない。努力はすべて不必要な前口上に向けられている。それが心の底から残念、というのが同業者としての思い。長年のスケートファンとしては「頼むから黙っててくれ」が正直なところだけど。

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