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ブロッコリー三昧

070114

 はなまるのオンエアのために、家で試作したブロッコリー料理。上がグラタンで下がソテー。ソテーは本当はアンチョビが味の決め手なのだが、買い忘れたのでイカの塩辛でやってみたら大丈夫だった。どちらもおいしくできたが、晩御飯は全部ブロッコリー。そしてさすがに食べきれなかった。というわけで食べ残しの画像で申し訳ありません。

 茹でてマヨネーズをつけて食べるのが一番カンタンで、それで十分おいしい。こういうものの料理を提案するのが実は難しい。手間をかけなくてもおいしいけれど、手間をかけてもおいしいよ、とテレビで言うのは簡単だけれど、手間をかけてもらえるような内容にしなくてはならない。今回は、毎日取材するたびに家でウーンと考えて、翌日ディレクターにそれを伝えて一緒にウーンと考えて、の繰り返しであったが、まぁなんとかなりそう。

 はなまるマーケットという番組を担当したことで一番力がついたのは、もちろん喋ることとかタレントさんと生放送で絡むとかいろいろあるけれど、一番役に立っているのは料理ではないだろうか。以前から料理はやってはいたけれど、この番組のおかげで、取材で出会ったプロの方から料理学校に通うのと変わらないぐらいにいろんなことを教えていただいた。

 このごろは、青森に帰ったときに私が台所に立っても、母は心配するどころか何をするのかじーっと見るようになった。まるでアシスタントのように横からあれこれ出してくれる。「私より料理上手だよねぇ」とか言いながら。
 正月、青森に帰って気づいたのは、母の料理のレパートリーが増えていることであった。仕事を辞めて家事に専念するようになったから、今までよりもちゃんと料理をやるようになり、息子が出ているというので料理番組も見るようになり、漬物を漬けたりダシをとったり、私の目から見ても全部ちゃんとしていた。そしてわかった。母は自分の料理に自信が無い様子だが、普通に上手だ。私の好みの味というのとは別にして。

 もう一つ気づいたこと。もはや「結婚は?」とか言われなくなった。私は私で、元気で生きていればそれでいいらしい。時々帰って顔を見せるだけでいいらしい。なんとラクでありがたいことか。
 「フリーなんて不安定だから会社に勤めたらいいんじゃないの?」「もういいかげん結婚したら?」「こないだテレビで着てた服どうにかならないの?」みたいなことをあれこれと言う親だったら、面倒だから帰らなかっただろう。私は私の人生を生きていて、そのことについて母は何も言わない。毎月仕送りをしているが、面と向かって心配することはなく、何かの拍子にふと「仕送りをして生活ができるのか」とついでのように尋ねたりする。一緒にスーパーで買い物をして私が払うと、その場では当たり前にしているけれどあとで「なんかお金を遣わせたね」と言う。

 「東京タワー」のオカンは、九州の女だから情に厚くて気丈だ。九州って、九州男児のイメージというか男が強いようなイメージがあるけれど、九州の男がわがままなのは奥さんが気丈だからだと思う。奥さんの懐が深いから男が威張っていられる。
 母は、東北の人だからもっとさらっとしている。あれこれ言わず黙って見ている。だから小説を書いてもたぶんあんまり面白くないだろう。

 そんでもって、是が非でも歯科医にならなきゃ、みたいな家に生まれなくて良かったのかも。経済的には歯科医の息子の方がずっとずっと恵まれていただろうし、周りのみんなが大学受験に向かっているときに「自分の人生をどうしよう」みたいなことを考えなくても良かっただろうけれど、人生において「あなたはこの道に進まなければ」というようなプレッシャーは全く無かった。それは単純に貧しかったからだけど、でもプレッシャーは無かった。
 やってみたいことをあきらめる選択肢だけはたくさんあったが、私はその中からやれそうなことだけを選んでやってみて今に至る。それはひらめきのようなもので、私が選んだ人生は母の想像の範囲を超えてしまったけれど、それでもやめろとは言われなかった。

 東京タワーとか私のブログを読んで、マザコンだとか思う人もいるかもしれないけれど、父親がいない家の母親ってのはたいしたもので、母子家庭の子がとりあえず普通に育っていると大人になって自分で思ったなら、母親に感謝をせずにはいられないだろう。大人になればなるほど、どういう状況で自分を育てたのかがわかってくるから。
 今の時代だったら、母親が育児に疲れて再婚し、その再婚相手に虐待されていたかもしれない。ただ一人頼るしかない母親がその虐待を見てみぬふりをするのを、子供として受け止めなければならなかったかもしれない。それって、人生に絶望するってことだ。小学生ぐらいで。

 話がずれたが、もしあなたのお母さんがちゃんと料理を作っていたら、そのことについては感謝をしたらいい。料理をしない母親もいるし、それはそれぞれの人生だと思うが、自分の母親がちゃんと料理をしているというのはとても幸せなことだ。そこから教わり得るものがたくさんあるのだから。

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