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世界フィギュア男子SP&ペアフリー&諸注意(笑)

 フィギュアスケートに興味が無い人は読んでも面白くないかもシリーズ1日目。

 代々木第一体育館は現在アスベスト除去工事のため閉館している。だから東京体育館が会場になったのだと思うけれど、改めて行ってみたら狭かった。東京体育館は体操や新体操の試合がよく行われるので何度も行っていて、狭いと思ったことなど無かったのだけれど、アリーナに30m×60mのリンクを作ったらとても狭い。代々木第一はもともとプールで、50mプールに加えて飛び込み用のプールもあるから、客席が多いだけじゃなくてアリーナが広いんだなと改めて思った。
 ただ、その分リンクが近い。私の席は、演技を終えた選手が得点を待つキス&クライと呼ばれる場所の後ろだったのだが、十分見えた。というか観られるだけでどこだっていいのだけれど。

 まず男子ショートプログラム。今シーズンから国際スケート連盟のランキングの上位者が最終2グループに入ることになったそうで、最後の2グループはフリーのときのような盛り上がりであった。次から次へと有力選手が出てくるんだから当たり前か。

 そのことが少なからず関係しているかもしれないが、男子の上位選手はミスが多かった。織田選手のトリプルアクセルは本当に残念。冬季国体のとき、イーグルからのトリプルアクセルを練習していたのだけれど、きょうはスパイラルからのアクセルをやって、見事にすっぽ抜けてしまった。ジャンプにならず要素が一つ抜けたので大きく得点を減らし、その後動きが小さくなってステップからのトリプルフリップでも着地でオーバーターンしてしまった。普段ならまずミスをしないところだ。
 織田選手のトリプルアクセルはもともと入るときに独特の溜めがあるのだけれど、直前にスパイラルを入れたことでタイミングが狂ってしまっていた。6分間練習ではいつもの入り方のアクセルをきれいに決めていて、あのままいつも通りやれば5位以内には入っていたと思うが、こんなことを後で言っても仕方がない。
 明日のフリーは最終グループどころか第3グループにも入れなかった。でも今の採点ルールなら、ノーミスで演技をすればそれなりの評価が得られる。新しいプログラムだから難しいかもしれないが、いつものようにのびのび滑って欲しい。

 織田選手のミスでなんだか気が抜けてしまったのだが、その2人あとに滑ったカナダのジェフリー・バトル選手の演技が素晴らしかった。私的にはきょうの一番。これを書きながら、放送された番組を観ているのだけれど、会場で感じた素晴らしさはテレビでは半分ぐらいしか伝わっていないかもしれない。
 ミスなく滑ったことがまず素晴らしい。そして、すべての動きがあの難しいピアノ曲に合っていた。音楽を体で演奏しているような演技をする選手は、ルールが新しくなってからまず見られなくなってしまったのだけれど、きょうのバトル選手はそんな感じだった。終わったときに体が震えてうるっときてしまった。これが生で観る醍醐味。

 世界チャンピオンのステファン・ランビエールは滑り始めからスピードが無くて、これでは跳べないんじゃないかと思ったらやっぱり最初のトリプルアクセルで転倒してしまった。その次に滑ったブライアン・ジュベールは、ただ一人4回転のコンビネーションを決めた。今シーズンは絶好調で、滑りに自信が感じられる。金メダルに一番近いかもしれない。

 織田選手が滑る前、会場からはいろんなかけ声が飛んでいて、織田選手が笑ってしまい、会場も笑っていた。声をかけたくなるキャラクターの持ち主だし、声をかける人に悪気は無いのもわかるのだが、リラックスすることが必ずしもいいとは限らない。
 織田選手の失敗があったので、高橋選手が滑る前、会場はしんとして緊張感に包まれていた。最初のコンビネーションジャンプは1つ目のトリプルフリップの着地でバランスを崩してしまい、トリプルトゥループを頑張ってくっつけたが回転不足になってしまった。
 ここから崩れなかったのは素晴らしかった。ミスをしないことが一番だが、ミスを引きずらないことも同じぐらいに大事なことだ。フリーで全日本のときのような演技ができればと心から思う。

 男子で結構疲れてしまって、気力が持つかなーと思ったが、そんな心配はいらなかった。昨日のシェン・ツァオ組のショートプログラムがテレビで見ても本当に良かったので、きょうのフリーを楽しみにしていたのだけれど、ミスをするかしないか、という次元とはまったく別のレベルの演技をしていて、ものすごくいいものを、二人が引退する前に生で見ることができて幸せだった。別格ってこういうことだねぇ。まだ放送前だからこれ以上は書かないことにするが。

 スケートファンの方が結構読んで下さっているようなので、会場で観る方にアドバイス。

○場内は狭いこともあってそれほど寒くはないし、S・A・B席は座面も背もたれもクッションがあるのでクッションは必要無く、膝掛けで十分。RS席はパイプ椅子なのでクッションがあった方がいいかも。

○場内でも飲み物やお弁当やパンや焼そばは買える。アリーナ席入り口のあるフロアの奥。ただRS席は飲食禁止。S・A・Bは座席で飲食が可能。座席がゆったりしているので、おにぎりやサンドイッチじゃなくてお弁当でもよいのでは。東京体育館周辺にはモスバーガーやサブウェイがあるが、休憩時間はどこも行列必至。

○入場したらすぐ、1階入場口横の再入場口で手に再入場スタンプを押してもらうべし。休憩時間にものすごく混むので。

○女子トイレはどこも休憩時間は長蛇の列。早めの行動をおすすめ。

○場内ではFM放送で解説が聞ける。きょうはなんと伊藤みどりさんとテクニカルスペシャリストの天野真さんの2人。ラジオの貸し出しは1000個だそうだがすぐ無くなっていたので、FMラジオを持参すべし。私は機種変更して使わなくなったFMが聞ける携帯を持っていき、片耳で解説を聞きながら演技を見たが、天野さんは技を認定するように一つ一つの要素を、基礎点と減点を含めて紹介していくので、スケートが好きでもっと知りたい人にはとても参考になると思う。伊藤みどりさんは「私はものすごく盛り上がってるんですけど天野さん冷静ですよね」とか、リンクの氷の硬さの話の中で自身の好みを聞かれて「私は硬い氷でボンと飛ぶって感じ」などと笑える発言がたくさんあった。地上波の解説の数倍面白い。実況ひっくるめてとっかえて欲しいぐらい。

○物販ブースは北側と南側で違うので、休憩時間に両方回ってみよう。「ワールドフィギュアスケート」の最新刊は複数のブースで売られているが、新書館のブースだとカイロがおまけでついてくる。ただおそらく数量限定なので買いたい人はお早めに。

○演技順は会場で配っているが、ISUのサイトからプリントアウトした方が見やすい。「Starting Order / Detailed Classification」のところをクリック。

○花束やメッセージが入れられるクッションが会場で売られているが、A・B席(2階席)から投げるのはほぼ不可能。S席でも南側の真ん中は間にテレビカメラとジャッジ席があるので難しい。キス&クライの後ろは、最初「選手じゃなくリンクに投げてください」ということだったのだが、無理だったので途中から「選手じゃなく真下に投げてください」になり、さらに「投げないでください」という張り紙を貼ったもののまた「真下にすみやかに投げてください」になった。選手に直接投げたり手を振ったり会話したりするのはほぼ不可能。

 初日からこんなに長々書いてどうする。まぁお祭りだということでご勘弁。

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