ハッピーニュース
今朝のはなまるマーケットでは「ハッピーニュース」の特集を放送した。これは日本新聞協会が一昨年から始めたキャンペーンで、日々の新聞記事の中から、心が温まるような内容の記事をコメントを添えて応募するというものだ。
新聞記事に登場する人に実際に取材をし、当時の様子を再現して放送しているのだが、取材がとても楽しい。いい話を取り上げた記事をもとに取材をしているので、当たり前だが皆さんとてもいい人なのだ。
大賞に選ばれたのは、東京マラソンで倒れた人の命を救った救急救命士の記事。この方もランナーとしてマラソンに参加していて、たまたま倒れた直後に通りがかり、すぐに救命処置をして、心肺停止の危険な状態から脈と呼吸を回復させて消防隊に引継ぎ、またレースに戻ったという内容であった。
番組では、この記事には載っていない情報を紹介した。人が倒れるのを目撃して、500mほど全力疾走して救命チームのところに助けを呼びにいった小学生の男の子がいた。そのおかげで救命チームはすぐに現場に駆けつけることができ、救命士が人工呼吸、救命チームが心臓マッサージ、と手分けをして救命処置にあたることができた。
男の子は、背中に目立つオレンジ色のバッグを背負っている人たちに興味を持ち、それがどういうもので何に使うのか尋ねていた。背負っていたのはAEDで、人が倒れたときに使うものだというのをたまたま知っていたから、即座に救命チームのもとに走ったのだ。
命を救った救命士の方は20キロを過ぎたところで左足を痛め、時々歩きながらかなりペースを落として走っていた。それでも40キロ過ぎまでは倒れたランナーの前にいたから、そのままゴールしていたら二人は出会うことは無かった。たまたま40キロ地点でトイレに入り、その間に抜かれたから、直後に倒れたランナーのところを通りかかることができた。いろんな偶然が重なって一人の命が助かったのだ。
救命士の方はもちろん、助かったランナーの方も小学生の男の子もみんな気持ちの優しい、いい人ばかりであった。取材しながら何度も「いやーいい話だ」などとスタッフが口にすることなんてめったに無い。
上の画像で私と一緒に写っているのは、1月に引退したボクサーの坂本博之さん。幼いころに両親が離婚して、児童養護施設を転々としながら育った。現役時代から、福岡市の施設を年に数回訪れたり試合に招待したりして子供たちを励まし続けているのだが、今回福岡行きに同行したディレクターがとても驚いて帰ってきた。乗るはずの飛行機のトラブルで出発がかなり遅れたのだが、福岡空港に着いた坂本さんはまずスーパーへ向かった。子供たちへのおやつを毎回必ず買うのだ。
おやつといっても120人以上いるから大変な量になる。大量のお菓子を、坂本さんはけんかにならないよう一人分ずつ小分けにしてから持っていく。毎回こんなことをしているのだ。
坂本さんは、全国の児童養護施設にいる子供たちを支援する「こころの青空基金」を設立している。このごろ格闘技はなんだかダーティーなイメージがついてしまったが、こんなにまっすぐな気持ちでリングに立ち続け、リングを降りてからも子供たちのことを一番に考えている坂本さんは素晴らしいと思う。
詳しくはそれぞれこちらのサイトを。
ハッピーニュース
こころの青空基金
坂本博之さんブログ
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