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安倍総理のカメラ目線

 安倍総理が官邸で受ける「ぶら下がり」と呼ばれる定例の記者会見がある。安部総理に限らず歴代の総理大臣はみんなやっていることだが、安倍さんだけ明らかに違っている。何かが違うと思いつつ、ちゃんと考えたことが無かったし考える気も無かったのだが、なんだかずっと気持ち悪かった。

 きょうわかった。マイクは横から出ている。つまり、代表の記者が総理の横にいて質問をしている。その後、他の記者からも質問が出るのだが、安倍総理はずっと正面のカメラを見ている。横に人がいて質問をしているのにずっとカメラ目線なのだ。

 横に人がいるのにカメラを見て話すというのはとても特殊な状況だ。私はアナウンサーなのでカメラを見て話すことが多々あるけれど、それはほとんどが自分ひとりで話す場合で、誰かと会話をしているときは話している人の顔を見る。それが人として普通だからだ。

 自分で良かれと思っているのか、誰かが助言してそうしているのかわからないが、安倍総理のカメラ目線はかなり気持ちが悪い。横に人がいて質問しているのに、聞き手の方を一切見ずにずっとカメラを見て話すのって不自然だ。せめて質問の間ぐらいは相手の顔を見るべきだと思うが(人として)そういう生理は安倍総理には無いらしい。きっと横にいる記者なんてどうでもいいのだ。

 私はテレビカメラの前に立つことがどういうことか、私なりに考えているので、カメラ目線というのは本質的に不自然だということを理解している。安倍総理は理解しないまま、というよりは「国民に意思が伝わる」と思ってカメラ目線で話しているのだろう。だから、あなたが見ているカメラよりも近くに、一人の人間である記者がいることに気がついていない。

 昨日から今日にかけてそのカメラ目線にものすごく違和感があったのは、現職の閣僚が自殺したというのに、そしてその自殺に少なからず自分が関わっているのに、相変わらず自分の映りや好感度を意識しながら、カメラの方を見て話していたからだった。
 沈痛な面持ちも、ずっとカメラ目線だとかえっていやらしく見えてしまう。そして実際、それほど沈痛な思いではないのだろう。本当に沈痛な思いだったら、目線なんて気にしない。そんな余裕は無い。カメラ目線に慣れている私だって、例えば身近な人や仕事仲間が亡くなってインタビューを求められたとしたら、絶対にカメラなんか見ない。そんな気にならない。

 総理大臣なんだから、そんなつまらないことを気にするなよと言いたい。やっていることが小さすぎる。人はカメラを見ているかどうかで話を聞くのではない。どこを見ていたって話の内容を聞くのだ。表情を見るのだ。内容の無い話をいくらカメラ目線でそれらしく話したって何も伝わらない。自分の薄っぺらさを露呈するだけだ。

 こないだも書いたけど、やっぱり対人関係のセンスが無い。きっと1回ぐらい挫折して、そこから本気でまた総理大臣を目指すぐらいの経験があった方が人間味が出るんじゃないか。まだ若いんだし。

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