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2008年10月

野心が見えた

 私には野心とか野望というものがない。今に始まったことじゃなくて昔から無い。あまりに無いので「今ちゃんは野心とか無いの?」と面と向かって言われたこともあるほどだ。

 そのまんま東さんが「宮崎をどげんかせんといかん」と言って宮崎知事選に立候補したとき、たぶん多くの人はそこから野心を感じ取らなかったと思う。著名な芸能人であるそのまんま東さんが、地元のためにひと肌脱ぐのだと思って一票を投じ、そして東さんは東国原知事になった。
 東国原知事はよくやっていると思う。テレビに出てばっかり、という批判もあるだろうが、ゴールデンタイムにどれだけの番組が宮崎特集をやったことか。おそらく日本中の自治体の観光担当者が「うちの知事が有名人だったら」とうらやましく思っているはずだ。

 宮崎はいいところだが、とにかく移動に時間がかかる。現在、九州の経済の中心は福岡市だが、福岡までいちばん時間がかかるのが宮崎県なのだ。高速道路は鹿児島県周りで4時間、鉄道だと5時間はかかる。県外だけではない。県内の移動も、道路の整備が遅れていて時間がかかる。
 その分、宮崎にはとてもいい自然が残っている。といっても、自然が残っているところに目を向けられるのは私がそこに住んでいないからであって、宮崎県民の皆さんはきっと不便に思っているだろう。
 だからこそ「宮崎をどげんかせんといかん」と堂々と言った東国原さんが知事になったわけだが、そんな東国原知事に、降って湧いたように国会議員への道が開けた。丸川珠代さんが安倍元総理に選挙への立候補を要請されたときもこんな感じだったんじゃないだろうか。降って湧いたように道が開けた。

 こういうときに野心が顔を出すのだと思う。私は丸川さんに出馬要請があったと報道で知ったとき、絶対に立候補するだろうと思った。ご本人には数回お会いしただけだが、きっと野心がある人だと思っていたから。ただ東国原知事については、本人に野心があったとしてもちょっと今回はタイミングが早いし、たぶん断るんじゃないかと思った。
 しかし東国原知事は断らず引き受けもせず、代わりに「宮崎県民の皆さんが国政で汗をかけと言うのなら」と、判断を県民にゆだねる形をとった。でも宮崎県民の皆さんは、知事がすぐに断らなかったことで、本当は国会議員になりたいという知事の野心を感じ取ってしまった。だから世論調査で多くの人が反対したわけだ。

 東国原知事が「自民党をどげんかせんといかん」と言ったと報道で知り、ああ株を下げちゃったなぁ、と思った。宮崎をどげんかするために自民党をどけんかするんだったら、そりゃ今までの古い政治家の利益誘導と変わらない。それに、宮崎のPRはたくさんしているけれど、別に宮崎はまだどげんもこげんもなっちょらん。

 結局出馬はしないことになったけれど、ああ野心ってこういう時につい出ちゃうんだなーと思った。野心は悪いことではないし、野心を持つ人が上に立つのだから別にいいんだけど、自分にあまりにも野心が無いので、久しぶりにあからさまな野心を見て「ああ野心ってこういうことかー」と改めて考えたというか。まぁいずれにしろ私には縁のない話。

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