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九州のさしみしょうゆのこと

 以前、デパ地下で買った寿司についてきた「さしみしょうゆ」のことを書いたら、いくつかメールをいただいた。お返事が遅くなってしまってすみません。

 いただいたメールはどれも「九州のさしみしょうゆ」について書かれていた。私は福岡に7年近く住んでいたので、このしょうゆのことはもちろん知っている。

 全国各地にそれぞれ特徴のある味噌があるように、醤油にも地域性がある。どちらも大豆が原料の発酵食品で、言ってみれば兄弟のようなものだ。
 スーパーで普通に買える醤油は「こいくちしょうゆ」だというのはご存じだと思う。「しょうゆ情報センター」のHPの記述をまとめると、蒸した大豆と炒った小麦をほぼ同量混ぜ、これに種麹を加えて「麹」を作り、この麹に食塩水を加えて「もろみ」を作ってタンクで6~8カ月発酵させたものを搾ったものが「生しょうゆ」。これに火入れ(加熱)をして、殺菌しつつ酵素のはたらきを止めて品質を安定させたものが「こいくちしょうゆ」ということになる。

 関西でよく使われる「うすくちしょうゆ」は、色を薄く仕上げるために、仕込むときに入れる食塩水の量を増やしたもの。なので色は薄いが食塩の量はこいくちしょうゆよりも多い。関西から来た人が東京のそばやうどんを見て「うわ、こんな濃いダシ食べられへんわ」などと言うのだが、色が濃いだけで味が濃いわけではない。

 さて、九州や山陰地方で使われている「さしみしょうゆ」は、しょうゆの分類からすると「再仕込みしょうゆ」ということになる。仕込むときに、食塩水ではなく生しょうゆを入れて作る。仕込んだ生しょうゆでまた仕込むから「再仕込み」。ややどろっとしていて、こいくちしょうゆに比べると甘く感じるが、もちろん砂糖などは加えられていない。
 料理に使うというよりは、刺身とか冷奴とか、かけたりつけたりして食べるときに使っていたと思う。スーパーにはもちろん普通にこいくちしょうゆが売られていたし。

 福岡に行って初めてこのしょうゆが出てきたときにはビックリした。わさびを溶いてもなんだか甘くてなかなか慣れなかった。それでも食べていたら慣れたけれど、東京から出張でやってきた人は大体普通のしょうゆに替えてもらっていた気がする。しょうゆといってもそのぐらい食べた感じが違うということ。

 さて、メールをいただいた方は、私がデパ地下で買った寿司についていた「さしみしょうゆ」は「九州のさしみしょうゆだったんじゃないですか?」とお訊ねだったのだが、九州のさしみしょうゆとは全然違う味だった。まぁ入っている材料からして違うし。

 今度どこかでお寿司を買ったら(持ち帰り寿司とか安いところ)ついてきたしょうゆのパッケージを見てみたらどうだろう。自分の家のしょうゆと比べると「へぇ」と思うんじゃないだろうか。

 あ。「レディス4」スタッフの皆様へ。ブログをわざわざ見てくれるのはありがたいのですが、なんだか身内に見られてるみたいでこっ恥ずかしいので、今後わざわざ「ブログ見ました」とか言わなくてもいいです。アハハ。ちなみに「ブログ更新しないんですか」は禁句ってことで(笑)。

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