「やねだん」のこと
先週の水曜日、TBS「総力報道 THE NEWS」で、鹿児島の南日本放送で放送されたドキュメンタリー「やねだん」の短縮版が放送された。
このドキュメンタリーを作ったのは山縣由美子キャスター。私が福岡放送に入社して半年後に担当した夕方ニュースで、メインキャスターを務めていたのが山縣さん。サブキャスターの私は本当にいろいろなことを教えてもらった。
その後山縣さんは、かつて局アナだった南日本放送に戻り、キャスター業のかたわら、ディレクターとして優れた番組を次々と作り、数々の賞を獲得した。
全国に系列局を持つ民放の中で、TBSだけが、地方局のドキュメンタリーを全国ネットで放送する枠を持っていない。山縣さんの願いは、自分の番組をより多くの人に見てもらうことだったのだが、それはなかなか叶わなかった。番組販売という形で各地の地方局が放送してくれたりしたが、TBSでは放送できる番組そのものが無かった。あまりに残念なので、私が自ら上映会を開いたほどだ。
山縣さんから「THE NEWS」で「やねだん」が放送されるというメールが届いたのは先週の月曜日。火曜と水曜は福岡に行っていたので、帰るなりまず録画を見た。そして驚いた。せいぜい10分ぐらいかと思ったら30分近くあり、もともとの55分の番組のエピソードがほぼ入っていた。
全国ネットのニュースで、地方局のドキュメンタリーを30分も放送することなど通常あり得ない。昨日、久し振りに山縣さんに会ってゆっくり話すことができたので、どういう事情だったのか聞いてみた。
「THE NEWS」の編集長の奥さんが、ネット上で「やねだん」という番組の存在を知り「こんな番組があるらしいよ」と話したことがきっかけだったそうだ。「見てみたいね」と検索した編集長は、それが系列の南日本放送の制作だと知り「なーんだ」ということで連絡してVTRを入手。そして、ぜひ放送したいということになったのだとか。つまり、系列の地方局が、数々の賞を受けている優れたドキュメンタリーを作っていたことを、TBSのニュースの編集長ですら知らなかったということだ。
だからといってすぐに30分もの枠で放送するわけにはいかない。編集長はあれこれと苦心し、覚悟を決めて放送に踏み切った。
編集長以外にも、今回の放送のためにギリギリまで力を尽くしてくれた人がいて、山縣さんは本番中、VTRを見ながら泣けてきたそうだ。私も、VTRのあとスタジオでしゃべっている山縣さんを見ながら、なんだか泣けてきた。思いがけない出会いがあって、念願がかなって本当に良かった。
日曜日は全日本フィギュアを見て幸せな気持ちになり、月曜日は山縣さんに会って喜びを分けてもらった。だからこうしてブログを更新しているのかというと、そういうわけでもない。いま暇なのだ。
ベトナム航空機が2機並んでいる。昔乗ったっけ。私が乗る便じゃないけど。
年末年始は海外で過ごすことにした。といっても休みが6日なのでわりと近場だけど。
ほとんど更新されないこのブログを見て下さった皆様、ありがとうございました。どうぞよいお年をお迎えください。
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