「やねだん」のDVD
「THE NEWS」を見られなかった人には
「やねだん」が何のことだかわからないだろう。
鹿児島の南日本放送で制作されたドキュメンタリーで
取材したのは
福岡放送時代に一緒にキャスターをしていた
山縣由美子さん。
このドキュメンタリーは
数々の賞を獲得して高く評価されている。
石橋湛山記念 早稲田ジャーナリズム大賞
「地方の時代」映像祭2008 優秀賞
ギャラクシー賞 テレビ部門 選奨
日韓中テレビ制作者フォ-ラム 第1回番組コンクール 最優秀グランプリ
番組では
鹿児島県鹿屋市の柳谷集落、通称「やねだん」に暮らす人々が
行政に頼らず
自分たちの力で地域を元気にしていく様子を
丹念に追いかけている。
こんなことが本当に起こるのか、ということが
次から次に起こり、
登場する人は
老若男女問わず温かく、
人が亡くなり、新しい命が産まれ、
人と人との縁がつながっていく。
短縮版が
先日TBS「THE NEWS」で放送されたわけだが、
もともとの番組はDVD化されていて
南日本放送のサイトで購入することができる。
一人とか、一家族を追いかけたものならともかく、
一地域のたくさんの人を取材したドキュメンタリーがDVD化されるだなんて
聞いたことがない。
当然だが
登場する人に許諾を取らなければならないからだ。
それができたのは、やねだんの人々が
この番組や、取材した山縣さんはじめスタッフを
信頼して認めてくれたからだ。
逆の言い方をすれば、
地域の人が信頼してくれたからこそ
すばらしい番組ができた。
だから、
売上の一部は、やねだんの自主財源として還元される。
これまた聞いたことがないが
取材させていただいたことに対するお礼として
テレビができるこれ以上のことはないと思う。
ところで南日本放送のサイトに、
フジテレビ編成制作局知財情報センター調査部というところが
発行している
「aura」という雑誌に載った(未発売)
山縣さんのインタビュー記事があった。
フジテレビの人が他系列の山縣さんを取材するのも
南日本放送がその記事を載せるのも
めったにないことだと思う。
でも、いい番組だから取材をして、
いい記事だったから自社のホームページで紹介しただけ。
なんていいことだろう。
お金の話にはちっとも興味がないのだけれど
こういう心とか気持ちの話は
出会うたびに元気をもらえるので大好きだ。
お金は余るほどあるが、周りに人の心や気持ちや志が無い。
お金はそんなに無いけれど、人の想いや温かさに囲まれている。
どっちがいいかと考えるまでもない。
後者の暮らしが理想だな。
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