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上海あれこれ

上海初日の夜は、いま上海で話題だというエンターテインメントを観に行った。

ERA-時空之旅
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JTBパブリッシング「タビトモ上海」によると。

伝統的な雑技に、西洋のショーやミュージカルの要素を取り入れ、精巧な舞台装置やハイテク映像技術、迫力の音響などで仕上げた「スーパーマルチメディア幻想劇」

…だそうだ。

ネットで予約できるとのことだったのでやってみた。英語のサイトから席を確保し、ネットで支払うというところをクリックしたら、中国の銀行のカードばかりが出てきた。前の画面に戻ったが、席はすでに確保したという表示が出るのみ。

仕方がないので「当日直接支払うので席をとっておいてほしい」というような英文メールを出してみたら、ちゃんと「席はあるので窓口でお待ちしています」という返事が2通も届いた。

ということで行ってみたらちゃんと席はあった。よくわからないのでいちばん高い席にしたが、そこは一応VIP席ということで、入口が別で係員にチケットを確認された。もらったチケットには「2排1座」と書いてある。2列目の1番ということかと思い、前から2列目の通路側の席に座りつつ番号を確認しようとしたら、係員がやってきて、いちばん真ん中の席に案内してくれた。

中国全部の劇場がそうかはわからないが、この劇場では

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のように、1座はいちばん真ん中の席だった。劇場はすり鉢状でステージが低いので、前から2列目の真ん中というのは、まさにど真ん中の席。わざわざメールを出した甲斐があったのかもしれない。「この日本人はそこまでして観たいのかねぇ」と思ってもらったとか。

さて内容だが。

出演者はみな若く、髪を染めたりワックスで立ち上げたりしていて日本の男の子と変わらないように見える。踊りや盛り上げ方は雑技というよりもヒップホップのノリに近い。やっていることは雑技の難しい演目なのだが、良くも悪くもノリが軽い。重みが無いというか。

ERAはディレクターも振付師も作曲家も中国人ではなく西洋人だそうだが、たぶん西洋人が中国と西洋の要素を混ぜてみたらこんな感じになっちゃった、ということなんじゃないかな。シルク・ドゥ・ソレイユをやろうとして、結果としてマッスルミュージカルになっちゃったような。別にマッスルミュージカルをどうのこうのと言うつもりはない。芸術に重きを置くのか、技術に重きを置くのかの違いで、ERAは大衆的な演出だということ。

そうはいってもやはり技はすごいのでちゃんと楽しんだ。最後の、金属の大きな球の中を数台のバイクが走る技は、初めて生で見てやはり驚いたし。
 
 
ERAの会場「上海馬戯城」は、地下鉄1号線の上海馬戯城駅のすぐそばにある。上海の地下鉄駅のホームで見た光景。
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電車に乗る人は、まずドアの両サイドに立って、中の人が降りるのを待ってから乗りましょう、という意味なのだが、わざわざこんな矢印を書かなければならないほどに誰もこれを守らない。とにかく我先にと乗り込んでくる。

朝と夕方は日本のラッシュ時並みに混む。そんなときでもホームで待つ人はドアの前に立ち、開くなり乗り込む。夫婦と子供連れのうちお母さんだけが降りそこねて「アー!」と叫びつつドアが閉まるのを見た。降りそこねたお母さんを見ていた私はつまり乗りそこねたんだけど。

逆に混んでいる車内では、駅に着く前にドアのところに移動しておくことがルールらしい。満員の車内をかき分けてドアに近づいてきた若い男の子が、ドアのそばに立っていた私に、たぶん場所を代わるようにと言ったのだが、自分も次の駅で降りるので、ドアの外を指さして「降りるよ」という動作をしたらわかってくれた。
 
 
守らないといえば信号。車は右側通行だが、歩行者信号が青でも、対抗する左折の車がどんどん横断歩道に入ってくるのでとても怖い。かと思うと歩行者の方も、赤だろうと隙あらば渡ろうとするし、信号が無くてもどんどん道を渡る。上海では交通事故なんてニュースにならないのかもしれない。

初日はとにかく怖くて、信号が青になったらすぐ、他の人たちにくっついて固まりで渡っていた。でも3日目には平気で渡れるようになった。慣れってこわい。

自分の日ごろのルールが通用しないところに行くって、いつもなら決して感じないような緊張感や恐怖があって、とても新鮮。

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