スター混声合唱団
2日続けてブログを書いたら、ブログを書く感じが戻ってきた。そういえばもともと文章書くの好きだったっけ(笑)。橋本志穂さんがスター混声合唱団の画像を送ってくれたので、やる気のあるうちに載せてみることにする。
スター混声合唱団は、山田邦子さんが団長をつとめる合唱団。邦子さんが乳がんになったのをきっかけに作った。スターなんて名前がついているので最初は躊躇したのだけれど、中学高校と合唱をやっていたので、今は純粋に歌うのが楽しくて行っている。
メンバーの中にはがん経験者がいる。倍賞千恵子さんと音無美紀子さんは邦子さんと同じ乳がん。フリーアナウンサー仲間の川原みなみさんは子宮がん、原元美紀さんは大腸がん。そして私は小児がん。シンガーソングライターの大野靖之くんは、高校生のときにお母さんを乳がんで亡くしている。
この夏青森に帰ったとき、一緒に飲んでいた中学の先輩が「清保、玉無しって呼ばれてたよな」となにげなく言った。まったく悪気がなかったので、聞いてああそうだったっけと思っただけだった。睾丸がひとつ無いことはみんな知っていて、そう呼ばれていたのも知っていたけれど、さすがに直接そう呼ぶ人はいなかったから忘れていた。
子供のころは、みんなにあるものがないのが恥ずかしかった。デリケートな場所だったし。でも今は、コンサートで自分から話す。「1歳半で睾丸にがんが見つかって、摘出手術と放射線治療をしました。5年生きられるかどうかだったそうなんですが、おかげさまでいま、40歳を過ぎて元気です」と。
ステージ上で自分のがんのことを初めて詳しく話したとき、ステージを降りたら倍賞さんが「そんな風に見えないけど、あなたも大変だったのね」と話しかけてくれた。その頃私はまだ、自分から倍賞さんには話しかけられなかったけれど、とても自然に話しかけてくれたので、それから普通に話せるようになった。倍賞さんだけじゃなくその他のメンバーとも、有名無名を問わず同じように。今は気持ちよく集まって歌える楽しい仲間だ。
写真は先日の埼玉会館でのコンサートのもの。平日だったので「レディス4」が終わってから電車で浦和まで向かった。日帰りで大阪に行ったり、泊まりで新潟に行ったり、スケジュールが合えば極力行く。みんなで歌っていると楽しいし、後ろで聞いていて邦子さんの司会が楽しい。
ステージに立ちながら、生きててよかったなぁと思う。 私は小児がんだったから、自分の闘病をまったく覚えていない。でも、この合唱団で邦子さんや皆さんの話を聞いて、ああここまで生きてこられてよかったな、自分もみんなも、と本当に思う。
大きなホールでも、小さな病院のロビーでも、私達はおんなじ気持ちでまじめに歌っている。がんを経験していなかったら、きっとこの仲間には入っていなかっただろうから、生きているうちはがんにもちょっとだけお礼を言おう。
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